作者のかざま鋭二という人は、ビッグコミックオリジナルで『風の大地』というゴルフ漫画を書いていた人ですね。この漫画は熊本でゴルフ教室を開いている坂田信弘氏が原作を書いていて、ゴルフをやらない私はこの本で坂田信弘氏のことを知りました。
ひと昔前は高橋三千綱氏の原作で野球漫画も書かれていて、よく読んだものです。しかしながら、本書は未読です。
面白い小説を探している時に何かのヒントになるかもしれません。
作者のかざま鋭二という人は、ビッグコミックオリジナルで『風の大地』というゴルフ漫画を書いていた人ですね。この漫画は熊本でゴルフ教室を開いている坂田信弘氏が原作を書いていて、ゴルフをやらない私はこの本で坂田信弘氏のことを知りました。
ひと昔前は高橋三千綱氏の原作で野球漫画も書かれていて、よく読んだものです。しかしながら、本書は未読です。
山本耕史の磐根が何とも良い雰囲気ではあります。ただ、磐根の着ている着物の仕立が良すぎて、市井の素浪人である設定と違い過ぎるのがかなり気になりました。
中越典子は個人的好みもあり、なかなか感じが良い娘でしたね。
物語自体は、45分と言うNHKのドラマなので、あんなものかな、と。決して面白くないということではありません。
鎌倉河岸捕物控シリーズ(2018年04月22日現在)
時は寛政年間、ところは江戸・神田鎌倉河岸界隈。呉服屋松坂屋の手代政次、金座裏の御用聞き9代目・宗五郎親分の手先亮吉、船宿の船頭彦四郎らはむじな長屋で生まれ育った幼馴染であり、同じく幼馴染で酒問屋豊島屋の看板娘しほに想いを寄せる者同士でもある。職業も性格も違う3人だが、お互い張り合うことがありながらも、仲の良い若者たちである。( ウィキペディア : 参照 )
佐伯泰英作品では唯一町人を主人公にした作品ではないかと思われます。
江戸は鎌倉河岸で育った若者四人をメインに据えた捕物帳です。
大体一巻当たり四章仕立てで、各章で夫々事件を解決しながらその巻を通した事件が描かれることが多いようです。
青春グラフティでしょうか。
2017年5月現在で、累計600万部を超える一大ベストセラーになっていますし、2010年4月からはNHK総合テレビで土曜時代劇として放映されました。
しかし、個人的にはこの作者のシリーズの中では面白い方ではないと感じます。四人の若者の生きざまに焦点を当てているようで、一方では捕物帳として謎解きの物語を描くという試みは決して成功しているとは感じませんでした。
勿論、佐伯泰英という作家の物語としてはそれなりの面白さを持っているとは思うのですが、それ以上のものではありませんでした。
そういうことで、2013年4月発売の『よっ、十一代目!』を同年7月に最後に読んで以降、このシリーズには手をつけていませんでした。
しかし、残念なことに2018年4月13日発売の第32巻『流れの勘蔵』をもってこのシリーズも完結したようです。これを機に、未読の23巻『うぶすな参り』以降の作品も読んでみようかという気にはなっています。
剣豪小説です。尾張徳川家との主人公の親子2代にわたる闘争が描かれます。
一方で、家族を取り巻く市井の人々との交流が過酷な戦いの息抜きとして人情豊かに描かれており、これまた人気シリーズでベストセラーです。
作品としてはもう完結しています。全26巻ありますが最後までまとめて読みたい人にはもってこいです。
密命シリーズ(2011年12月 完結)
本書『吉原裏同心シリーズ』は、江戸は新吉原を舞台に、吉原で起きる不始末を表に出さずに処理する裏同心を描く痛快時代小説です。
人妻と手に手を取り故郷を出奔した神守幹次郎が、示現流の遣い手として吉原の危機を防ぐ姿は、痛快時代小説の醍醐味を満喫させてくれるでしょう。
理不尽な結婚に苦しんでいた人妻の汀女を連れて、故郷の豊後岡藩を出奔した幹次郎は、女仇討の追手に追われ、十年の流浪の旅の末、江戸・吉原に流れ着く。
廓を統括する吉原会所の四郎兵衛に剣の腕を見込まれ、幹次郎は廓で起こるトラブルを解決する「吉原裏同心」となる――。( 佐伯泰英 特設ページ | 光文社文庫 | 光文社 : 参照 )
舞台が吉原であるところがまず独特なのですが、痛快時代小説としてのつぼはちゃんと抑えてあります。
また、この神守幹次郎という主人公は薩摩示現流の達人で当然無敵です。
更には駆け落ちしてきた汀女という美人の妻はいますが、舞台が吉原ですから勿論花魁が出てきてこの主人公にからみます。
特に人気絶頂の花魁薄墨太夫は、後に落籍されて加門麻という本名で本編に加わり、幹次郎と汀女の人生に深くかかわることになります。
その他にも、吉原会所七代目頭取の四郎兵衛や会所の番方の仙右衛門、後に登場することになる嶋村澄乃、南町奉行所定廻り同心の桑原市松などの脇を固める登場人物もまた個性的です。
これらの登場人物による立ち回りと美女とユーモアと、定番ですが面白いです
当初の『吉原裏同心シリーズ』では、敵役は幕府の中核の大物で、主人公は吉原の用心棒として自分たちの生活、引いては吉原を守るためにこの巨大な敵に立ち向かうことになります。
この流れも、2017年3月からの『吉原裏同心抄』というシリーズになると、幹次郎の私的な生活にも変化があり、吉原に個別に襲い掛かる様々な障害を取り除く作業へと変化しています。
そして、2019年9月になると『新・吉原裏同心抄シリーズ』へと変化し、舞台が幹次郎のいる京、そして江戸の吉原と二つに分かれることになります。
2014年6月からNHK総合テレビの木曜時代劇で枠で、小出恵介と貫地谷しほりという役者さんでドラマ化されました。2020年08月現在ではまだDVD化されていません。
追記 :
冒頭に書いたように、2021年10月に発刊された『吉原裏同心 36 陰の人』から、シリーズ名が再び『吉原裏同心シリーズ』としてこれまでの全巻を通して巻数が振られることになりました。
「吉原裏同心抄」「新・吉原裏同心抄」と名前を変えたシリーズ名が、再び『吉原裏同心シリーズ』として統一されることになったものです。
また、2022年4月12日から第一巻から毎月二冊ずつ、紙と電子版とが同時に「決定版」として刊行されるそうです。
詳しくは下記サイトを参照してください。
それに応じて、上記作品紹介の欄も訂正すべきですが、いましばらくそのままにしておきます。
本『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』は、茫洋としたその風貌からは思いもつかない剣の腕を持つ坂崎磐根という青年剣士の活躍を描く、全五十一巻にもなる長編の痛快時代小説シリーズです。
そこには、故郷の藩の改革に絡む事件や、江戸の町の豪商やなどの幕閣に連なる速水左近など知己を得、田沼意次という強大な敵を相手にする存在となる一介の浪人の姿があります。
本シリーズの持つ魅力は、それはやはり第一義には坂崎磐根というキャラクターにあると思います。
茫洋としたその佇まいからは読み取ることのできない剣士としての側面を持つ存在は痛快時代小説の典型的なヒーロー像と言えます。
さらには、磐根を取り巻く脇役の魅力があります。
まずは後に磐根の妻となるおこん、それに磐根の剣の師匠の佐々木玲圓、磐根の許嫁だった奈緒。
また、おこんが奉公する両替商の「今津屋」の老分番頭の由蔵や主の吉右衛門。
また、品川柳次郎と竹村武左衛門という用心棒仲間。
後には、磐根の手足となる弥助や霧子。それに、おこんの婚儀に先立ちその養父となる将軍御側御用取次の速水左近など、挙げていけばきりがありません。
ただ、この『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』は、ネタばれになるのであまり詳しくは書けませんが、途中から主人公のキャラが変わってしまっている感があり、なじみにくくなりました。
やはり、それまでの市井に住んでいた主人公にこそより親しみを感じていたのです。
主人公の語り口の変貌のためかとも思ったのですが、結局は今の主人公が高所からの物言いになっているようで、親しさを感じにくくなっているのではないでしょうか。
とはいえ、物語としてのこのシリーズが面白くない、というわけではなく、好きなシリーズのひとつであることには間違いありません。ただ、より身近に感じていたいという読者の我儘なのでしょう。
佐伯泰英作品の中でも一番の人気シリーズで、平成の大ベストセラーなのですから一般的にも受け入れられている作品です。
ちなみに、本『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』の各作品は、いまでは決定版が出版されていて、シリーズ名も『居眠り磐音シリーズ』と名を変えて刊行されています。
詳しくは、
を参照してください。
本書『酔いどれ小籐次留書シリーズ』は、市井に暮らすヒーローの活躍が実に小気味いい痛快時代小説シリーズです。
剣の腕が立ち、美人の想い人がいて、彼を支える江戸の大店の主や幕府中枢の権力者がいて、何よりも江戸の庶民が味方です。このキャラクターをうまく動かす作者の筆もさえています。
酔いどれ小籐次留書シリーズ(完結)
品川の騒ぎ (青雲編)
新・酔いどれ小籐次シリーズ(2024年03月06日現在)
豊後国森藩から奉公を解かれ、浪々の身となった赤目小籐次、四十九歳。彼には胸に秘する決意があった。旧主・久留島通嘉の受けた恥辱をすすぐこと。相手は大名四藩。備中次直二尺一寸三分を手に、小籐次独りの闘いが今、幕を開ける。時代小説ファンを驚喜させた小籐次シリーズが一層の鋭さを増し、“決定版”として帰ってきた!(「BOOK」データベースより)
再度記しますが、本『酔いどれ小籐次留書シリーズ』は、主人公とそれを取り巻く人情味あふれる人達、それに主人公を支える実力を備えた商人、加えて幕府の中枢につながる実力者といったお定まりの人々が主人公を中心として様々な問題を解決していく痛快時代小説です。
美女も花を添え、痛快時代小説の醍醐味を備えており、長く続いても色の褪せないシリーズと言えます。
初期の『居眠り磐音シリーズ』もこうでした。
個人的には、佐伯泰英作品の中では一番のお勧めだと思っています。
何だかわからないけど、このシリーズがしばらく出ないと思っていたら、文春文庫から『新・酔いどれ小籐次シリーズ』として出版されました。シリーズ名からは「留書」の文字もはずれています。
この新シリーズは基本的な設定は変わっていません。ただ、年代が数年ほど飛んでいます。
それと、一年以上の間をおいて新シリーズとし、出版社も変わったことについて、「作者の事情によって中断」したと作者のあとがきにあるのみで、詳しい理由は述べてありません。まあ、大人の事情があるのでしょう。
ちなみに、上の写真は左が旧シリーズの、右が新シリーズの第一巻目です。
更に、2016年3月から「決定版」と銘打って、装丁も新たに再刊されています。決定版を出す理由については「著者の言葉」を参照してみてください( 「本の話」 : 参照 )。
ところが、本シリーズもこの八月をもって終了するとの告知がありました。
六月から三ヶ月の連続刊行し、第二十五巻をもって終了とのことです。
詳しくは下記を参照してください。
ところが(と再び書かねばなりません)、本『新・酔いどれ小籐次シリーズ』が再起動することになりました。
佐伯泰英作品300冊目として『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』が出版されることになりました。
詳しくは下記を参照してください。
2005年正月にテレビ東京開局40周年を記念して放映された豪華キャスト出演による大型時代劇シリーズのDVD-BOX。戦国時代に登場した斎藤道三、明智光秀、織田信長。3人の複雑に絡み合う数奇な運命とその生涯を4部構成で壮大なスケールで描く。(「キネマ旬報社」データベースより)
テレビ東京で2005年1月に新春ワイド時代劇として放映されたもの。斎藤道三を北大路欣也が、織田信長を伊藤英明が演じています。私は未見です。
天下の制覇を夢見た斉藤道三、野望半ばにして倒れた道三の遺志を継いだ織田信長と明智光秀。三人の武将を中心に、下克上の乱世を生きた人々の激しい葛藤を、豪華キャスト共演でダイナミックに描いた名作大河ドラマ。原作は司馬遼太郎の菊池寛賞受賞作。(「キネマ旬報社」データベースより)
1973年のNHK大河ドラマで、DVD2巻で構成されています。
斎藤道三を平幹二朗が、織田信長を高橋英樹がそれぞれ演じていて、とても評判が良いようです。
残念ながら通常放送回の映像は保存してないらしく、総集編のマスターテープだけが保存されています。
歌舞伎役者の枠を越えて、役者としての幅を広げる市川染五郎が主演、司馬遼太郎の同名小説を原作にしたテレビ東京40周年記念ドラマの4枚組DVD-BOX。幕末日本の風雲児として名高い“坂本竜馬”の偉大なる功績、苦悩に満ちた波瀾万丈の生涯を描く。(「キネマ旬報社」データベースより)
私はみていませんが、2004年1月2日にテレビ東京の新春ワイド時代劇で放送されたものです。
第一部 出発、第二部 脱藩、第三部 襲撃、第四部 希望の、全4部です。