佐伯 泰英 雑感
一言で言うと、痛快活劇小説でしょうか。はまればとにかく面白い。1000万部を越える出版数と聞きますがそれも当然かと思ってしまいます。
本当に軽く読めます。なのに構成がきっちり成立しているためなのか読んでいて筋が破綻してないので引き込まれてしまうのでしょう。
「小籐次」や初期の「磐音」などは、かなり前なら南條範夫の「素浪人 月影兵庫」(近衛十四郎(松方弘樹の父親)のテレビ版しか知らないのですが)、一昔前なら山手樹一郎の「桃太郎侍」でしょうか。共に古すぎて知らない方も多いでしょう。
スーパーマンである素浪人が悪い奴らををやっつけるのだから痛快なのだ、という定番の物語です。
でも、その定番ものだからこそそれなりの筆力がなければ読者を引き付けることはできないのではないでしょうか。そうしてみると「磐音」にしろ「小籐次」にしろそのキャラがよくできています。読み手の心をきゅっと掴み離しません。
どのシリーズも基本的には一話完結なのですが、全体を通して大きな謎若しくは事件があるという構成で、続きが出ればすぐに読みたくなります。
[投稿日] 2014年12月25日 [最終更新日] 2015年5月7日