竜馬がゆく TBSドラマ

豪華キャストで贈るTBS大型時代劇シリーズ「竜馬がゆく」を収録。幕末に命を賭けた男たちの姿を描く。出演は上川隆也、沢口靖子ほか。(「Oricon」データベースより)

 

私は見ていませんが、1997年1月1日にTBSテレビの大型時代劇スペシャルで放映されたものです。

竜馬がゆく テレビ東京ワイドドラマ

司馬遼太郎原作の名作小説を壮大なスケールと豪華キャストでドラマ化!幕末の動乱期を駆け抜けた風雲児・坂本龍馬の生涯を描いた時代劇巨編。萬屋錦之介、若林豪ほか出演。全13話を収録したDVD-BOX。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

1982年にテレビ東京の12時間超ワイドドラマで放映されたもの。未見です。

錦之介といえば、私等の年代では織田信長、宮本武蔵あたりを思い出すのではないでしょうか

竜馬がゆく NHK大河ドラマ

長い歴史を持つ大河ドラマの名作をピックアップして贈るDVD第4巻は、幕末の英雄・坂本竜馬の波乱の生涯を描いた「竜馬がゆく」。竜馬が脱藩という一大決心をする第16話「竜馬がゆく」を収録する。NHKの懐かしの番組を集めたDVDシリーズ第2弾。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

個人的には北大路欣也の竜馬も結構好きだったのですが、レビューでの評判は今一つの用で、また実際、当時の視聴率もそんなには良く無かったようです。

龍馬伝 NHK大河ドラマ

福山雅治主演のNHK大河ドラマ『龍馬伝』のBOX第1弾。天保14年、高知城下。上士と下士の厳しい階級制度がある土佐藩で育った9歳の坂本龍馬は、ふとしたことから上士の少年を怒らせてしまう。第1話「上士と下士」から第13話「さらば土佐よ」までを収録。((season1) [DVD] : 「キネマ旬報社」データベースより)

 

season1からseason4まで、全四巻のDVDで構成させれています。

この大河ドラマは配役の若干の違和感を除けば十分に楽しめた作品でした。個人的には近年では一番の評価です。

山岡 荘八

新潟県生まれ。十四歳で上京の後、長谷川伸に師事。昭和13年、懸賞小説に入選し文壇デビュー。昭和25年から新聞に『徳川家康』を 連載開始。十八年がかりで完成したこの大河小説は「経営トラの巻」としても幅広い読者を獲得、五千万部突破という戦後、最大のベストセラーとなる。同作品 で「吉川英治文学賞」を受賞(Amazon「山岡荘八」の項 参照)1978年、死去

山岡荘八といえば、まず挙げられるのは『徳川家康』(全26巻 山岡荘八歴史文庫版))でしょう。新聞連載開始が1950年3月ですから、戦後日本復興期の精神的な支えにもなったというのも理解できる話です。それまでに既に人気作家ではあったのですが、『徳川家康』で国民的作家としての地位を確立しました。

『徳川家康』では、戦中の従軍作家として多くの特攻隊員を取材した経験から家康の欲した「泰平」に重ね合わせて描こうとしたそうです。また、そうした経験を経たためか、皇国史観の信奉者でもあり、1974年には、保守団体「日本を守る会」を結成し、自衛隊友の会会長も務めていました。

昭和十五年には村上元三らとともに十五日会を結成し、「股旅物」で有名な作家、長谷川伸に師事したそうです。そのため、演劇的な作風を取り入れていて、ストーリーも会話もテンポよく進む作風だと言います。この「十五日会」は、後に「新鷹会」と改称され現在に至っています。

1967年には長谷川伸賞を受賞し、昌平黌短期大学名誉学長に就任。1968年に第2回吉川英治文学賞を受賞され、1973年には紫綬褒章を受章されました。

国盗り物語

世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「智恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を“国盗り”の拠点と定めた!戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守土岐頼芸の腹心として寵遇されるまでの若き日の策謀と活躍を、独自の史観と人間洞察によって描いた壮大な歴史物語の緒編(「BOOK」データベースより)

 

戦国時代、斎藤道三から織田信長、明智光秀という武将を中心とした国取りの物語が描かれた長編の歴史小説です。文庫本では第1、2巻で斎藤道三を、第3、4巻で織田信長を中心とした戦国武将のあり方が生き生きと描かれています。

 

戦国武将の物語は数多くあるのですが、斎藤道三という人物を正面から描いた小説はあまり無く、他に数人の方が書かれているだけのようです。

それまでは蝮の道三としてあまり良い印象は無かったのですが、この本ではかなり高い評価をしてあり、それ以後斎藤道三を見る目が変わりました。

 

また、それまで織田信長はそれなりには知っていても、道三については殆ど知らなかったのですが、この本で信長との交流を知ったものです。

こうした戦国期における各武将たちの思惑等、勿論フィクションではありますが、歴史と言うものが、単に歴史の表面に出てくる事実だけではなく、生きた人間の営みの積み重ねであることを考えさせられたことを覚えています。

 

司馬遼太郎の項の「雑感」にも書いたように、この本に続いて豊臣秀吉から徳川家康へという権力の推移のあり様を「新史太閤記」から「覇王の家」へという著作で著していくことになります。

中国の三国志を読みながら、これは司馬遼太郎の「国盗り物語」からの一連の流れと結局は同じ国取りの物語だと思ったものです。

子母澤 寛

子母澤寛という人の作品では「勝海舟」が有名ですが、年代によっては「新選組始末記」「新選組遺聞」「新選組物語」の「新選組三部作」の作者としての方が有名かもしれません。更に言えば、勝新太郎主演の映画「座頭市」の原作「座頭市物語」の作者でもあります。ただ、映画の座頭市は「座頭市物語」のそれとは殆ど別物語といった方が良いそうです。他にも初期の股旅物を中心として多数の作品がありますが殆どは手に入らないようです。

私は「父子鷹」「おとこ鷹」「勝海舟」の三冊しか読んではいませんが、少なくともこの三冊の面白さは折り紙つきです。「父子鷹」「おとこ鷹」は勝海舟の父親の勝小吉の物語で、時代としては新潮文庫全六巻の「勝海舟」の第一巻目の大半と重なります。勿論主役が異なりますので話も違うのですが。この勝麟太郎の父親勝小吉の物語が無類に面白いのです。

子母澤寛という人は北海道の出身ですが、勝海舟親子を描く上記三冊は、江戸は本所界隈(勝家は現代のJR錦糸町の駅近くらしい)の情景描写が素晴らしいのです。描かれている本所の雰囲気を味わうだけでも一読の価値ありと思うほどです。また、小吉や麟太郎、その周りの人たちの会話がまた小気味よく、実に楽しいひと時を持てると思います。

映像化作品としてはNHK制作の1974年の大河ドラマ「勝海舟」や1990年の「日本テレビ年末時代劇スペシャル」がありますが、両作品とも途中で主役が交代しているからでしょうか、共にDVD化されていません。「父子鷹」が市川右太衛門、北大路欣也の親子共演作品として、それもVHSであるくらいでした。

山本 周五郎

山本周五郎の著作には、現代小説、時代小説両方にすばらしい作品がありますが、ほぼその全作品を読んだつもりです。

文章そのものの持つ格調というものを始めた感じたのも山本周五郎の作品でした。書いてある内容そのものは例え同じであっても、心に響いてくる力が違うと感じるのです。ここぞという時に見られる、たたみかけるような言葉のもたらす余韻など、いつまでも心に残ります。

山本周五郎の作品の中でも、ごく少数の作品ではありますが、全く普通の講談の”のり”であり、それほど心を打つというものではないものもありました。解説を見ると初期の作品群とのことです。しかし、それらの作品も含めて山本周五郎という人の作品は是非読むべきものと思います。

山本周五郎の作品も特定の本を選ぶことは困難です。ここで紹介している作品も、強いて言えば、という程度のものと思ってください。

蛇足かもしれませんが、私は山本周五郎作品を新潮文庫で読んだのですが、解説(確か木村久邇典氏)が素晴らしいです。山本周五郎作品の読み方(と言って良いのか)がよくわかります。

志水 辰夫

この作家の本を読んだきっかけはもはや覚えていません。

それ頃に読んでいた本と言えば、SF小説、推理小説が殆どで、ハードボイルド小説もハメットとかスピレインといった外国モノばっかりだったのです。ところが、この人の本を読んで、日本人の手でこれほどの物語が書けるのか、という新鮮な驚きを覚えたことだけが印象に残っています。

その本が「飢えて狼」だと思っていたのですが、あらためて調べてみたところ「裂けて海峡」だったようです。というのも、その最初に読んだ本の最後の文章が「気障(きざ)」と言うほかない言葉だったのです(後記参照)。こんなきざな文章を書く人が居るのか、という思いと、その文章がその物語の末尾として見事というほかなく、強烈な印象を残していたのです。

飢えて狼」「裂けて海峡」「背いて故郷」が三部作と言われていたと思うのですが、他に「あっちが上海」「尋ねて雪か」などもあります。

近年、志水辰夫は時代劇宣言をしたらしく、時代物ばかりを書いておられるようです。この作品群がまた面白い。ハードボールドな世界が江戸時代を背景に繰り広げられるのです。この人の作品はハードボイルドとは言っても、北方謙三の短文をたたみかける乾いた文体とは異なり、実に叙情的なのです。シミタツ節と言われるその文章が、時代小説として繰り広げられています。

この人の作品は派手なストーリー展開は初期の作品を除いてはそんなにはありません。したがって、少々とりつきにくい側面があるかもしれません。しかし、読了したときには必ず虜になっていると思います。

お勧めです。

北方 謙三

とにかく正統派のハードボイルド作家と言えます。全体的に物語のトーンは低く、短いセンテンスでたたみかけるようなその文体は「男」を強烈に感じさせます。

私の一番好きな「ブラディ・ドール」と「約束の街」シリーズはその最たるもので、同じ世界観を持っています、と思っていたら「街」シリーズの終わりの方では両シリーズが合体してしまいました。

一方、「挑戦」シリーズのように冒険小説的な匂いを持ち、物語のトーンが低いとはいえない作品もあるのですが、それでもやはり根底は「男」を感じさせる物語に仕上がっていると言って良いのではないでしょうか。

ある時期から時代小説や歴史小説にも手を染められています。でもやはり北方節は健在です。

更には中国文学の新解釈による再構成もされています。ここでも北方節は健在なのですが、物語の底に流れていた暗いトーンは影を潜め力強さを感じさせてくれる文体になってます。「三国志」や「水滸伝」など10巻以上にわたる大作を順次発表されています。これらがまた面白く、是非読まれることをお勧めします。

北方謙三作品は作品数も多く、一概には語れません。ただ、どの作品も高水準のものばかりだ、とは言えると思います。

以下殆どの作品を読んではいるのですがとても紹介しきれませんので、私の好きな作品の中でも代表的なものを参考として挙げました。