吉原裏同心の神守幹次郎に女髪結のおりゅうが相談をもちかけた。妹のおきちが不審な者に狙われているのだという。おきちの警固に動いた幹次郎だったが、それがとんでもない騒動の幕開けだった。そして、次に狙われたのは、「吉原の主」ともいえる人物・四郎兵衛。再び蠢きだした「闇の力」の前に、幹次郎の豪剣が立ちはだかる!大人気シリーズ、待望の第二十弾。(「BOOK」データベースより)
吉原裏同心シリーズ第二十弾です。
314頁という頁数の、中身の濃い痛快捕物帳とも言える物語です。
吉原で働く女髪結のおりゅう依頼で、おりゅうの妹であるおきちへのストーカーからおきちを守ることになった神守幹次郎です。
しかし、そのストーカーの影には吉原をつけ狙う大きな勢力が見え隠れします。そしてその先には、吉原会所の七代目頭取である四郎兵衛の命を狙う輩と、その背後に控えている勢力との対決をも見据える話になってくるのです。
文字通りの痛快活劇小説です。幹次郎と吉原会所の面々は、おきちを付け回す男の背後に控える反会所勢力と、吉原そのものの存在にもかかわる闇の勢力との対決にのぞむことになります。
本書の解説はポーラ文化研究所研究員の村田孝子氏が担当されています。この解説が、単に物語の解説を越えて、江戸時代の女性の髪形について詳しく説明してあり、興味をそそられるものでした。
浮世絵に描かれている女性の髪形を挿絵として挟みながら、髷の結い方まで説明されていて非常に関心をそそられました。