『酔いどれ小籐次留書シリーズ』とは
本書『酔いどれ小籐次留書シリーズ』は、市井に暮らすヒーローの活躍が実に小気味いい痛快時代小説シリーズです。
剣の腕が立ち、美人の想い人がいて、彼を支える江戸の大店の主や幕府中枢の権力者がいて、何よりも江戸の庶民が味方です。このキャラクターをうまく動かす作者の筆もさえています。
『酔いどれ小籐次留書シリーズ』の作品
酔いどれ小籐次留書シリーズ(完結)
- 御鑓拝借
- 意地に候
- 寄残花恋
- 一首千両
- 孫六兼元
- 騒乱前夜
- 子育て侍
- 竜笛嫋々
- 春雷道中
- 薫風鯉幟
- 偽小籐次
- 杜若艶姿
- 野分一過
- 冬日淡々
- 新春歌会
- 旧主再会
- 祝言日和
- 正宗遺訓
- 状箱騒動
品川の騒ぎ (青雲編)
新・酔いどれ小籐次シリーズ(2024年03月06日現在)
豊後国森藩から奉公を解かれ、浪々の身となった赤目小籐次、四十九歳。彼には胸に秘する決意があった。旧主・久留島通嘉の受けた恥辱をすすぐこと。相手は大名四藩。備中次直二尺一寸三分を手に、小籐次独りの闘いが今、幕を開ける。時代小説ファンを驚喜させた小籐次シリーズが一層の鋭さを増し、“決定版”として帰ってきた!(「BOOK」データベースより)
『酔いどれ小籐次留書シリーズ』について
再度記しますが、本『酔いどれ小籐次留書シリーズ』は、主人公とそれを取り巻く人情味あふれる人達、それに主人公を支える実力を備えた商人、加えて幕府の中枢につながる実力者といったお定まりの人々が主人公を中心として様々な問題を解決していく痛快時代小説です。
美女も花を添え、痛快時代小説の醍醐味を備えており、長く続いても色の褪せないシリーズと言えます。
初期の『居眠り磐音シリーズ』もこうでした。
個人的には、佐伯泰英作品の中では一番のお勧めだと思っています。
何だかわからないけど、このシリーズがしばらく出ないと思っていたら、文春文庫から『新・酔いどれ小籐次シリーズ』として出版されました。シリーズ名からは「留書」の文字もはずれています。
この新シリーズは基本的な設定は変わっていません。ただ、年代が数年ほど飛んでいます。
それと、一年以上の間をおいて新シリーズとし、出版社も変わったことについて、「作者の事情によって中断」したと作者のあとがきにあるのみで、詳しい理由は述べてありません。まあ、大人の事情があるのでしょう。
ちなみに、上の写真は左が旧シリーズの、右が新シリーズの第一巻目です。
更に、2016年3月から「決定版」と銘打って、装丁も新たに再刊されています。決定版を出す理由については「著者の言葉」を参照してみてください( 「本の話」 : 参照 )。
ところが、本シリーズもこの八月をもって終了するとの告知がありました。
六月から三ヶ月の連続刊行し、第二十五巻をもって終了とのことです。
詳しくは下記を参照してください。
ところが(と再び書かねばなりません)、本『新・酔いどれ小籐次シリーズ』が再起動することになりました。
佐伯泰英作品300冊目として『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』が出版されることになりました。
詳しくは下記を参照してください。