『居眠り磐音 スピンオフシリーズ』(?)は、この名前が本当にシリーズ名としてあるのかは分かりませんが、『居眠り磐音(江戸双紙)シリーズ』のスピンオフという位置付けのシリーズです。
『居眠り磐音(江戸双紙)シリーズ』に登場する主人公以下の登場人物の若かりし頃を描き出す、ファンが心待ちにしていたシリーズです。
『居眠り磐音 スピンオフシリーズ』について
『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』も完結し、なお、『居眠り磐音 決定版』として前面改定が為されています。
そんなときに「奈緒と磐根の間柄で書き残したことがあることに
」気が付いたため、「決定版」の「手直しをしながら『奈緒と磐根』を認め
」たそうです。
『奈緒と磐根』での著者佐伯泰英本人の「あとがき」にそう書いてありました。
調べてみると、本シリーズ第一巻の『奈緒と磐根』では、磐根と幼馴染の小林琴平、河出慎之介、そして琴平の妹である奈緒、舞の幼い頃の姿が描かれています。
第二巻の『奈緒と磐音 居眠り磐音』では、磐音の弟弟子の重富利次郎、松平辰平、それに途中から仲間に加わった忍びの者である霧子たちの若い頃の姿があります。
第三巻『初午祝言 居眠り磐音』では、品川柳次郎とお有、南町奉行所の名物与力・笹塚孫一、刀剣の研ぎ師・鵜飼百助などの若い頃が描かれています。
第四巻『おこん春暦 新・居眠り磐音』では、おこんの若き日が、そして第五巻『幼なじみ 新・居眠り磐音』では磐音の深川暮らしの師匠でもあり唐傘長屋に住む鰻取りの少年幸吉と幸吉の幼馴染のおそめの物語だそうです。
『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』のファンとしては、スピンオフシリーズともいえるこの企画は大歓迎です。
ましてや、『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』の第一巻『陽炎の辻』での衝撃的な始まりに至る、幼馴染の磐根、琴平、慎之介という三人の物語が読めるのですから、これを読まないという手はありません。
そうして始まった本書は、期待に違わないものでした。
全五十一巻という長さの『居眠り磐音江戸双紙シリーズ』も、そしてその改訂版としての『居眠り磐音 決定版 シリーズ』も完結しています。
再び、この決定版で全巻を通して読み直したいものです。
また、この後もスピンオフの物語が書き綴られていくかは不明ですが、続いていくことを期待したいものです。