『付添い屋・六平太シリーズ』とは
本『付添い屋・六平太シリーズ』は、痛快時代小説の定番の一つである市井に暮らす素浪人の用心棒稼業を描いた、連作の短編より構成されている作品です。
「付き添い屋」という新しい名称を付けたシリーズものですが、面白く読みやすいシリーズです。
『付添い屋・六平太シリーズ』の作品
付添い屋・六平太シリーズ(2022年05月22日現在)
『付添い屋・六平太シリーズ』について
本『付添い屋・六平太シリーズ』はいわゆる文庫本時代劇と言われる作品群に属し、一巻に四話ほどの短編が収められています。
連作短編集として浪人者の主人公を中心とした様々な人物が、各巻ごとに事件を解決していくという痛快時代劇小説の王道を行く物語です。
主人公は秋月六平太という浪人者で、信州十河藩で供番を勤めていたものの、お定まりの藩内権力抗争のあおりでお役御免となり、江戸に出てきたものです。
大店の内儀や娘の付き添い、つまりは用心棒稼業などで糊口を凌ぎつつ、血のつながらない妹の佐和と共に浅草に住んでいるのですが、普段は髪結いのおりきの家に転がり込んでいるのでした。
稼業が稼業ですので何かと面倒事に巻き込まれる六平太ですが、同心の矢島新九郎という道場の後輩などの力を借りつつ何とか事件を解決していく姿が描かれています。
作者が日本有数の脚本家( 金子成人 : 参照 )ということもあり、とても読みやすい文章であり、物語のつぼが押さえられている作品です。