浅田次郎

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集英社

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極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家…不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。(「BOOK」データベースより)

 

文庫本で全四巻のピカレスク風の長編のコメディ小説といったところでしょうか。

 

関東桜会木戸組の初代組長木戸仲蔵がリゾートホテルのオーナーになった。その業界では超大物であり、総会屋としても知らぬ者はいない、らしい。

任侠道を貫くその男の下にはこのホテルの番頭である若頭黒田旭がいる。支配人は大手「クラウンホテル」の元ホテルマンであり、お客様第一主義のため、会社と相容れない立場になっていたところを木戸仲蔵に拾われた。

主人公は木戸仲蔵の甥っ子で木戸孝之介といい、極道小説があたり、当代の売れっ子作家となっている。孝之介の母は若頭の黒田と駆け落ちをし、父は母に逃げられた後程なく死ぬ。

孝之介は寂しい子供時代を送っていて、それが現在の孝之介の性格を形作った一因となっている、と思われる。

 

母が逃げた後、後添えとして入り子供のまま成長していない孝之介を育てた木戸富江や、今の孝之介の愛人となっている田村清子など、他の登場人物も実にユニークで、夫々に掛け合い漫才のような会話を繰り広げています。

自己中心的で暴力的であり、我がまま放題の孝之介を温かく包んでいるのがこの二人なのです。

 

巻毎に少しずつ雰囲気が異なり、巻を追うごとに「平成の泣かせ屋」である浅田次郎の片鱗が少しずつ見えてきたりもします。

軽く読めます。そのくせどことなく心に残る物語です。

[投稿日]2015年03月22日  [最終更新日]2018年12月9日
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