辻堂 魁

風の市兵衛シリーズ

イラスト1
Pocket

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,d.id=a,e=c.getElementsByTagName("body")[0],e.appendChild(d))})(window,document,"script","//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js?20220329","msmaflink");msmaflink({"n":"母子草 風の市兵衛 弐(祥伝社文庫つ5-41) (祥伝社文庫 つ 5-41)","b":"祥伝社","t":"","d":"https:\/\/m.media-amazon.com","c_p":"\/images\/I","p":["\/51KW8O2HZ+L._SL500_.jpg","\/51sZCIU2XIL._SL500_.jpg"],"u":{"u":"https:\/\/www.amazon.co.jp\/dp\/439635004X","t":"amazon","r_v":""},"v":"2.1","b_l":[{"id":6,"u_tx":"Amazonで見る","u_bc":"#f79256","u_url":"https:\/\/www.amazon.co.jp\/dp\/439635004X","a_id":4361827,"p_id":170,"pl_id":27060,"pc_id":185,"s_n":"amazon","u_so":0},{"id":4,"u_tx":"楽天ブックスで見る","u_bc":"#87c209","u_url":"http:\/\/books.rakuten.co.jp\/","a_id":4361842,"p_id":56,"pl_id":42899,"pc_id":56,"s_n":"custom_3","u_so":1},{"id":5,"u_tx":"Yahoo!ショッピングで見る","u_bc":"#66a7ff","u_url":"https:\/\/shopping.yahoo.co.jp\/search?first=1\u0026p=%E6%AF%8D%E5%AD%90%E8%8D%89%E3%80%80%E9%A2%A8%E3%81%AE%E5%B8%82%E5%85%B5%E8%A1%9B%E3%80%80%E5%BC%90(%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB%E3%81%A45-41)%20(%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB%20%E3%81%A4%205-41)","a_id":4361840,"p_id":1225,"pl_id":27061,"pc_id":1925,"s_n":"yahoo","u_so":2}],"eid":"MW0P8","s":"l"});

母子草 風の市兵衛 弐』とは

 

本書『母子草』は『風の市兵衛 弐シリーズ』の第十二弾で、2023年8月に祥伝社から336頁で文庫化された、長編の痛快時代小説です。

 

母子草 風の市兵衛 弐』の簡単なあらすじ

 

還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。店の前途もさることながら、里右衛門の脳裡を掠めたのは、若き日に真心を通わせた三人の女性だった。唐木市兵衛は、里右衛門から数十年も前の想い人を捜し出し、現在の気持ちを伝えてほしいと頼まれる。一方、店では跡とりとなる養子が、隠居しない義父への鬱憤を、遠島帰りの破落戸にうっかり漏らしてしまい…。(「BOOK」データベースより)

 

序章 新酒番船 | 第一章 根岸 | 第二章 お高 | 第三章 女掏摸 | 第四章 うしろ髪 | 終章 彼岸すぎ

 

母子草 風の市兵衛 弐』の感想

 

本書『母子草 風の市兵衛 弐』は、本風の市兵衛シリーズの主人公の唐木市兵衛が、請人宿「宰領屋」主人で市兵衛の長年の友人でもある矢藤太と共に、霊岸島町の下り酒問屋《摂津屋》主人里右衛門に依頼されて三人の女を探しだし頼まれたものを渡す物語です。

とは言っても、市兵衛と矢藤太との探索の過程が主軸の物語ではなく、探し当てた女が依頼人のもとから消えた理由を聞き出すこと、つまり消えた女たちのその後の人生の在りようが語られます。

つまりは、粋人であリ、<里九>と呼ばれていた依頼人と、依頼人が惚れ抜いた女たちが依頼人の前から消えざるを得なかった理由こそが本書の主題です。

 

そこにあるのは悲しい女の立場であり、粋人の里九と呼ばれ悦に入っていた依頼人の若さの物語ともいえるかもしれません。

そして、その物語は、作者辻堂魁の作風でもある、人情物語の中でも一歩間違えれば安っぽい人情噺に堕しかねない浪花節調の物語となっているのです。

一方、市兵衛たちの三人の女の行方探しと並行して、北町奉行所定町廻り方の渋井鬼三次の探索の話が語られ、この二つの話が終盤ひとつにまとまる、という点もこれまでのシリーズの話と同様です。

 

これまで、本風の市兵衛シリーズの、また辻堂魁という作家のファンとして、本シリーズの作品も一冊も欠かさずに読み続けてきましたが、どうも風向きが変わってきました。

ここ数巻の本シリーズを読んできて、あまりにも作品の内容が似通ってきていて、読んでいて心が騒がなくなって来たのです。

そうしたことは作者も分かっていたからこそ、このシリーズも第二シーズンへと物語の環境を変えてのだと思うのですが、『風の市兵衛 弐』になっても結局は第一シリーズとほとんど変わっていないと言えます。

本来は第二シーズへと変わり、市兵衛の出自が明らかにされたり、舞台を大坂へと移したりと変化をつけてきたと思うのですが、北町奉行所同心の渋井鬼三次もやはり常連として登場してくるようになったし変化が見られなくなっています。

何とかこのマンネリとも言ってよさそうなシリーズの流れを断ち切り、当初の面白さを取り戻してほしいものです。

[投稿日]2023年12月23日  [最終更新日]2024年1月11日
Pocket

おすすめの小説

おすすめの痛快時代小説

用心棒日月抄 ( 藤沢周平 )
藩内の抗争に巻き込まれた青江又八郎という浪人者の用心棒としての日常を描いてあります。一巻目では赤穂浪士に関わり、二巻目以降は藩の実権を握ろうとする一派の企みを阻止ずべく、用心棒稼業のかたわら、放たれた刺客と闘う姿が描かれます。
居眠り磐音シリーズ ( 佐伯泰英 )
佐伯泰英作品の中でも一番の人気シリーズで、平成の大ベストセラーだそうです。途中から物語の雰囲気が変わり、当初ほどの面白さはなくなりましたが、それでもなお面白い小説です。
口入屋用心棒シリーズ ( 鈴木 英治 )
浪々の身で妻を探す主人公の湯瀬直之進の生活を追いながら、シリーズの設定がどんどん変化していく、少々変わった物語です。ですが、鈴木節は健在で、この作家の種々のシリーズの中で一番面白いかもしれません。
軍鶏侍シリーズ ( 野口 卓 )
デビュー作の軍鶏侍は、藤沢周平作品を思わせる作風で、非常に読みやすく、当初から高い評価を受けています。
羽州ぼろ鳶組シリーズ ( 今村 翔吾 )
江戸の火消しを主人公に、「一度輝きを喪った者たちの再起と再生」を描いた長編の痛快時代小説です。かつて江戸随一の火消として、"火喰鳥"の名を馳せた男・松永源吾。しかし、ある一件の火事をきっかけに、定火消を辞し浪人として不遇をかこつ日々を送っていた。

関連リンク

シリーズ既刊一覧 | 辻堂魁 風の市兵衛シリーズ - 祥伝社
祥伝社文庫 人気シリーズ公式WEBサイト シリーズ既刊一覧

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です