『北海道警察シリーズ』とは
実際に北海道で起きた不祥事である稲葉事件や裏金事件をベースに組織体個人という構図で書かれた、北海道警察を舞台とする警察小説です。
ただ、この項を書いた時点で読んだ第四作では組織体個人という構図が揺らいできているので、その後の展開がどのようになるか、あらためて書き直したいと思います。
『北海道警察シリーズ』の作品
『北海道警察シリーズ』について
本『北海道警察シリーズ』第一作の『笑う警官(「うたう警官」改題)』がまずあり、それが好評だったのでシリーズ化されたのではないかと思われます。
それほどに第一作の衝撃は強く、登場人物たちに魅力があります。
まだシリーズ全部を読み終えていないので明言できませんが、第九作『雪に撃つ』の内容紹介を読む限り、登場人物には変化がないように思えます。
つまり本『北海道警察シリーズ』の主人公は、シリーズ第一弾の『笑う警官』で北海道警察の不祥事について道議会の百条委員会で証言した津久井卓巡査部長や、その津久井の無実を信じて救出に動いた佐伯宏一警部補と言えるでしょう。
その他の登場人物としては佐伯の部下である新宮昌樹巡査部長、そしてコンピューター操作に長け、剣道の有段者でもある小島百合巡査を挙げるべきだと思われます。
ここで北海道警察の不祥事とは、現実に起きた北海道警察での「稲葉事件」や裏金事件で、本シリーズ内では「郡司事件」と呼ばれている事件や道警の裏金事件などの不祥事のことです( 北海道警裏金事件 / 稲葉事件: 参照 )。
現実の「稲葉事件」に関してはこの事件を参考に「日本で一番悪い奴ら」というタイトルで映画化もされています。
さらには、第一作の『笑う警官』を原作としてタイトルも「笑う警官」そのままに、佐伯を大森南朋、津久井を宮迫博之が演じて映画化されています。
ちなみに、本『北海道警察シリーズ』は、2024年2月に『警官の酒場』がシリーズ第十一弾作品として刊行されていますが、この作品をもって本シリーズの第一シーズンが終了となるそうです。