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乃南 アサ 雑感
この作家の作品は何故か数作しか読んでいません。「凍える牙」など名作と言えると思うし、次いで読んだ「鎖」もかなり面白かったのですが、何故か他には「自白」くらいしか読んでいません。
読んだ作品はどれも重厚です。軽く読める作品というわけではありません。
しかし、その各作品の世界は魅力的です。構成がしっかりしていて、積み上げられた世界観がしっかりしており安心できます。一度読み始めると、ジェットコースター作品というわけではないのですが、なかなかに本を置きにくくなるのです。
とにかく、面白い作家です。お勧めです。
受賞歴は
「凍える牙」 第115回直木三十五賞受賞
「地のはてから」 第6回中央公論文芸賞受賞
[投稿日] 2015年04月15日 [最終更新日] 2015年5月20日
おすすめの小説
おすすめの警察小説作家
警察小説を書かれる作家は多数おられます。その中でもしっかりと書き込まれて、読みごたえのある作品を書かれている作家さん達の一部です。
- 松本 清張
- 社会派推理小説界の大御所であり、あらためて言うまでもありません。どの作品も読みごたえは十分です。「点と線」に代表されるそのトリックも含めた、動機重視のその作分はあとに続く作家たちに大きな影響を与えた人です。
- 高村 薫
- 「マークスの山」で直木賞を受賞されています。このあと「合田雄一郎シリーズ」として人気シリーズ化されています。実に読みごたえのある重厚な小説です。
- 横山 秀夫
- どの作品も、従来の警察小説とは視点を異にしています。NHKでドラマ化もされた「64(ロクヨン)」にしても主人公は広報官です。また検視官や新聞記者など多彩です。勿論普通に捜査官が主人公になっている作品もあります。どの作品もよく練り上げられている感じが、読んでいて物語の厚みとなって感じられます。
- 佐々木 譲
- 作品のジャンルは多岐にわたるようですが、とくに警察ものが人気が高い作家さんのようです。「警官の血」などは、親子三代にわたり警察官となった男達の人生を描く大河小説で、2007年の日本冒険小説協会大賞を受賞しており、直木賞のノミネート作でもあります。他に「笑う警官」を始めとする『道警シリーズ』も人気があります。
- 雫井 脩介
- この作家には、警察小説と呼べるものはあまりありません。ただ、あるミスで左遷された警察官が、再度第一線に呼び戻され、誘拐事件の犯人にテレビを通じて話かける「犯人に告ぐ」が実に面白い小説でした。ほかには「ビター・ブラッド」くらいしかないと思います。