明日香シリーズ(2018年10月21日現在)
- 天使の牙
- 天使の爪
覚醒剤に替わり、日本全土を脅かす新型麻薬アフター・バーナー。その元締「クライン」を牛耳る独裁者・君国辰郎の愛人神崎はつみが逃亡した。はつみは組織内部のことを知りつくしていた。そのはつみが警察に保護を求めてきたのだ。連絡を受けた保安二課長・芦田は、「クライン」壊滅の切り札として護衛・移送することを決める。この極秘指令を受けた男まさりの女刑事明日香は、はつみとホテルで接触するが、ヘリからの銃撃を受け二人は瀕死の重体に。だが、奇跡は起こったー!!冒険小説の新しい可能性に挑戦したノンストップ・アクション。(上巻 : 「BOOK」データベースより)
犯罪組織「クライン」の独裁者君国の愛人はつみの身体と、女刑事明日香の精神を持つアスカは、己だけを信じて決死の囮を演じていた。組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ひとり。だが、古芳はアスカの精神が明日香であることを知らない。一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。不協和音が生じた二人にさらなる刺客が…!!息もつかせぬアクション、巧みな構成、想像を絶する展開。感動と興奮を呼ぶエンターテインメントの真髄。(上巻 : 「BOOK」データベースより)
まず設定がすごい。なにせ、女主人公明日香が一旦殺されかけたところを、脳移植を受けてよみがえるのですから。
ただ、前提としてこの脳移植という荒唐無稽な話を受け入れないとこの物語は成立しません。ですから、その点が気になる人にはお勧めできません。その点を問題なく受け止められる人にはお勧めです。
そうした荒唐無稽な設定の主人公が内面の葛藤を抱えたまま、アクションが始まります。
ハードボイルドと言って良のでしょうか。それよりもアクション小説と言い切った方が良いでしょう。
ハードボイルドの定義は良く分かりませんが、タフな主人公の行動を客観的に描写する文章作法を言うのだとすれば、本書は明日香に肩入れしているようでちょっとニュアンスが違うような気がします。
でも、そんなことはどうでもいいことで、問題は小説として面白いかどうかです。そして、その点では何も問題はありません。
面白いです。お勧めです。