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深町 秋生 雑感

「果てしなき渇き」が第3回『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作品だと聞いてこの作家の作品を始めて読みました。

次いで読んだ「東京デッドクルージング」については当時のメモで「面白くない」と書いています。その一年後、何故か今度は「アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子」を読んでいるのです。

似た印象の作家で木内一裕という人がいますが、この人の作品は続けて読んでいるので、深町秋生という作家とどこが違うのか、そのうちにまた深町秋生の違う作品を読んで比べて見たいと思います。

上記は2015年5月に書いた文章です。その後この作者の作品を読み続けていたのですが、次第に面白くなってきているように思います。

特に近年の作品の『探偵は女手ひとつ』や『卑怯者の流儀』などの面白さからは眼を話せなくなってきています。

上記の二冊は共に短編集なのですが、軽いハードボイルドミステリーで読みやすく、それでいて主人公の造形が良くできているとともに、脇役の登場人物たちも生き生きとしていて引き込まれます。

両者ともに続編を期待するところですが、今のところ出版されていません。

[投稿日] 2015年04月18日  [最終更新日] 2018年12月30日
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おすすめの小説

おすすめのノワール小説作家

木内一裕
一世を風靡したヤンキー漫画の「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者と同一人物です。小説の作風もスピード感にあふれていて、読み易い作品を書かれています。深町秋生に似た雰囲気を持った作家といえば、まずはこの人を思い出します。「水の中の犬」から始まる一連のシリーズなどは、一番近いかもしれません。
馳 星周
ノワール小説と言うとこの作家が思い出されます。しかし、深町秋生の作品の持つ雰囲気とは少々違うと思うのです。よりダークな作品が好みであれば、「不夜城」に代表されるこの作家かもしれませんが、テンポ良く読み進めたいのであれば深町秋生でしょう。
逢坂 剛
ハードボイルド作品の第一人者の一人です。どの作品も、細部に至るまでリアリティを追求されており、その世界観に安心して浸れる作家さんです。そうした作品の中でもワルを中心に据えた作品と言えば「禿鷹の夜」から始まるハゲタカシリーズでしょう。
結城 昌治
数多くの作品を書かれている作家さんですが、読んだ作品の数はそんなにありません。ドラマ版の話で恐縮なのですが、でももう30年以上も前に、主人公の悪徳刑事を室田日出男が演じたドラマ「夜の終る時」は、今でも強烈な印象が残っています。
東野 圭吾
現代のベストセラー作家の中でもトップを走っていると言ってももいい作家であることは言うまでもありません。この人のノワール小説と言えば「白夜行」でしょう。ミステリーの形式を借りた人間ドラマ作品といった方が良さそうな印象を受けた作品でした。