『佐方貞人シリーズ』とは
第一巻『最後の証人』こそ、ヤメ検である弁護士佐方貞人が活躍しますが、現時点(2021年8月29日)では第一巻以外は過去に戻り、未だ検事時代の佐方貞人を主人公とするミステリーです。
『佐方貞人シリーズ』の作品
『佐方貞人シリーズ』について
本『佐方貞人シリーズ』は、作者の柚月裕子の他の作品でもそうであるように、「正義」という言葉の持つ意味の多様性を前提としつつ、法曹界での「正義」を考察しているようです。
法曹界での「正義」とは言ってもそれはまた立場により異なるもので、本シリーズでは弁護士、そして検事それぞれの立場に立つ主人公がいます。
貞人は常に「罪はまっとうに裁かれなければいけない」という信念のもと行動しているのです。
それとは別に、主人公の佐方貞人は弁護士であった父親の佐方陽世が預かり金を横領したとして懲役二年の実刑判決を受け収監され、獄死するという過去を持っています。
この父親の存在が貞人の成長に大きな影響を与えているようです。
この父親のことについては『検事の本懐』と『検事の死命』という短編集の中で語られています。
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また『佐方貞人シリーズ』の別の楽しみ方として、主人公が勤務する東京都内から北へ新幹線で2時間程のところにあるとされる米崎市はまた、『森口泉シリーズ』の舞台でもあるということが挙げられます。
いつの日にか佐方貞人と森口泉が、検事もしくは弁護士と刑事として同じ事件を担当することになるかもしれません。
その物語を待ちたいと思います。
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