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雫井 脩介 雑感
とにかく読んでいて文章のリズムが良いのでしょう。どの作品も一気に読ませてくれます。
物語自体の意外性はそれほどないけど、文章のリズムが良いので全体がテンポ良く読める、と思っていました。でも、改めて考えてみると、特に結末については予想していたのではなく、文章のリズムに乗って読んでいるので、あたかもその結末を自分が予想していたかのように思ってしまったようです。そのくらい、自然な流れで物語が進んでいるのでしょう。
「犯人に告ぐ」のようなサスペンス色豊かな物語、「クローズド・ノート」のようなロマンチックな物語、「つばさものがたり」のような家族の物語と、この作家は作品ごとに異なる一面を見せてくれます。
[投稿日] 2015年04月12日 [最終更新日] 2015年5月9日
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