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朝井 まかて 雑感

1959(昭和34)年大阪府生れ。広告会社勤務を経て独立。2008(平成20)年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、翌2014年に直木賞を受賞。続けて同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞を受賞した。2015年『すかたん』が大阪ほんま本大賞に選出。2016年に『眩』で中山義秀文学賞を、2017年に『福袋』で舟橋聖一文学賞を受賞。2018年、『雲上雲下』が中央公論文芸賞を受賞した。その他の著書に『ちゃんちゃら』『先生のお庭番』『ぬけまいる』『御松茸騒動』『藪医 ふらここ堂』『残り者』『落陽』『最悪の将軍』『銀の猫』『悪玉伝』などがある。( 朝井まかて | 著者プロフィール | 新潮社 : 参照 )

最初に読んだ本が『恋歌』という樋口一葉らの師である歌人中島歌子を描いた作品であったためでしょうか、文章の格調が高く、主人公の心象を表現する言葉の選択がうまい人だと読みながらに思ったものです。この作品は、本屋が選ぶ時代小説大賞2013及び第150回直木賞を受賞しています。

しかし、次に読んだ『先生のお庭番』でも自然の描写が美しく、またシーボルトが自分の故郷に馳せる思いを主人公に語る場面など淡々としていながら想いが言葉に乗っていて忘れられません。とすれば、この作家の文章そのものが品のある文章だと思ってよさそうです。

その後『ちゃんちゃら』や『ぬけまいる』などのコミカルな小説をも見事にこなしておられることを知り、その作品の幅の広さに驚いていました。

 

 

ところが、江戸城明け渡し時に大奥にとどまった五人の女を描いた『残り者』では 浅田次郎の『黒書院の六兵衛』の女版のような、しかししっかりと独自性を持った作品も描かれ、いつまでも読み続けたい作家さんとして深く心に残ったものです。

 

 

文章が美しい作家は何人か思い浮かびますが、この作家もその一人になることでしょう。また、未読の作品が数多く残っている作家さんでもありますので、是非読破したいと思っています。

ちなみに、『ぬけまいる』という作品は、「ぬけまいる〜女三人伊勢参り」と題して、2018年10月にNHKで「土曜時代ドラマ」枠でテレビドラマ化されています。

ぬけまいる~女三人伊勢参り : 参照

[投稿日] 2014年12月29日  [最終更新日] 2018年10月27日
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