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山本 周五郎 雑感
山本周五郎の著作には、現代小説、時代小説両方にすばらしい作品がありますが、ほぼその全作品を読んだつもりです。
文章そのものの持つ格調というものを始めた感じたのも山本周五郎の作品でした。書いてある内容そのものは例え同じであっても、心に響いてくる力が違うと感じるのです。ここぞという時に見られる、たたみかけるような言葉のもたらす余韻など、いつまでも心に残ります。
山本周五郎の作品の中でも、ごく少数の作品ではありますが、全く普通の講談の”のり”であり、それほど心を打つというものではないものもありました。解説を見ると初期の作品群とのことです。しかし、それらの作品も含めて山本周五郎という人の作品は是非読むべきものと思います。
山本周五郎の作品も特定の本を選ぶことは困難です。ここで紹介している作品も、強いて言えば、という程度のものと思ってください。
蛇足かもしれませんが、私は山本周五郎作品を新潮文庫で読んだのですが、解説(確か木村久邇典氏)が素晴らしいです。山本周五郎作品の読み方(と言って良いのか)がよくわかります。
[投稿日] 2015年03月18日 [最終更新日] 2016年1月16日
おすすめの小説
おすすめの歴史小説作家
挙げるべき人が多すぎて、ここではごく一部の作家さんだけです。
- 藤沢 周平
- 清河八郎を描いた「回天の門 」など、多数の著作があります。山本周五郎と同じく大御所の一人ですね。特に情景描写は素晴らしいと思います。
- 司馬 遼太郎
- 歴史小説の分野というとまず名前の挙がる作家さんですね。”司馬史観”という言葉まで生まれました。「坂の上の雲」、「竜馬がゆく」はあらためて言うまでもないし、「梟の城」を始めとする初期作品も面白いです。
- 海音寺 潮五郎
- 「平将門 」しか読んでないのですが、「西郷隆盛」(朝日新聞社 全九巻)は「西郷隆盛を中心に幕末動乱期を描いた日本史伝文学の最高峰」と言われますし、他にも「西郷と大久保」等の西郷隆盛研究は素晴らしいそうです。「幕末動乱の男たち」など、明治維新期と限定しても多数の作品があります。
- 子母澤 寛
- 歴史小説、物語性をあわせもつ小説として「勝海舟」を始めとする勝海舟の物語は本を置けません。また、「新選組始末記」他のの新選組三部作はその後の新選組もののバイブルになっています。
- 池波 正太郎
- 「鬼平犯科帳」などのエンターテインメント小説だけでなく、「真田太平記」等の歴史小説も第一人者です。
- 早乙女 貢
- 「會津士魂」(集英社文庫 全十三巻)は、「会津藩主従がなぜ朝敵の汚名を被らねばならなかったか」を描く大河歴史小説。第23回吉川英治文学賞受賞作品です。