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高田 郁 雑感

高田郁』のプロフィール

 

小説家。兵庫県出身。1993年、漫画原作者・川富士立夏としてデビュー。08年、小説家デビュー。『あきない世傳 金と銀』シリーズ、『みをつくし料理帖』シリーズ、『銀二貫』などを手掛ける。引用元:ORICON NEWS

 

高田郁』について

 

「久しぶりに良質の人情物に出会った。宇江佐真理の『髪結い伊三次捕物余話シリーズ』を読んだときのような気がする。」と、『みをつくし料理帖シリーズ』の第一作『八朔の雪』を読んだ当時のメモに書いていました。

 

 

高田郁の作品は宇江佐真理作品に比べ更に印象が優しい気がします。

これは読みやすいということでもあるのでしょうが、逆に短所なのかもしれません。読後感が宇江佐真理作品に比べて若干軽い気がするのです。

これは主人公が料理人である娘だから、ということではなく、作者の個性の差なのでしょうか、それとも筆力の差なのでしょうか。

 

作品は市井に生きる人々の生活を描く山本一力の書くそれにも似ています。

しかし、山本一力の文章は力強くきちんと構築されているのに対し、高田郁の文章はどちらかというと宇江佐真理の文体に近く、人を見つめる目が優しいと感じられます。

このことは現代小説についても同様で、やはり、作者の視点はかわりません。

 

あたたかな人情話を好む人には特にお勧めの作家ではないでしょうか。この人の作品は、今のところはずれはありません。

[投稿日] 2015年04月13日  [最終更新日] 2021年7月19日
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おすすめの小説

おすすめの人情小説作家

宇江佐真理
女性らしいの優しい視点で描き出される市井の人々の暮らしに、ときには笑い、ときには涙を誘われながら是非一読してもらいたい作家です。一番の代表作としては個人的に「髪結い伊三次捕物余話シリーズ」がお勧めです。
今井絵美子
全体として派手さはありませんが、四季の移ろいの描写も美しく、人間が丁寧な語り口で描かれています。特に「立場茶屋おりきシリーズ」などが好きな作品です。
梶よう子
柿のへた」を始めとする「御薬園同心 水上草介シリーズ」など、作者の視点の優しさがにじみ出ている、心優しい物語が繰り広げられています。
山本一力
文章には力強さがあふれています。それでいて細やかな人情が描き出されているのです。多数の作品を発表されています。
西條奈加
日本ファンタジーノベル大賞を受賞するなどファンタジックな作品であった作風が、次第に一般的な作風へと移り、『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を、『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を、『心淋し川』では、第164回直木賞を受賞しています

関連リンク

高田郁 | ダ・ヴィンチニュース
兵庫県宝塚市に生まれる。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック誌『YOU』の漫画原作者としてデビューする。当時のペンネームは川富士立夏。
インタビュー(高田郁さん) | Bookservice.JP -Rinkaku-
「みをつくし料理帖」シリーズの第一弾『八朔の雪』は2009年に出版。たちまち多くの支持を受け、その年の「歴史・時代小説ベスト10」(週刊朝日)第一位、「R-40本屋さん大賞・文庫部門」(週刊文春)第一位などに選ばれる。
高田郁×鈴木敦子公開対談「近世呉服商経営のダイナミズム 〜ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし」
人気時代小説作家・高田郁氏(『あきない世傳 金と銀』、「みをつくし料理帖」シリーズ、『銀二貫』等)と、大阪大学大学院経済学研究科の経営史研究者・鈴木敦子氏による公開対談を行います。