高田 郁 雑感
『高田郁』のプロフィール
小説家。兵庫県出身。1993年、漫画原作者・川富士立夏としてデビュー。08年、小説家デビュー。『あきない世傳 金と銀』シリーズ、『みをつくし料理帖』シリーズ、『銀二貫』などを手掛ける。引用元:ORICON NEWS
『高田郁』について
「久しぶりに良質の人情物に出会った。宇江佐真理の『髪結い伊三次捕物余話シリーズ』を読んだときのような気がする。」と、『みをつくし料理帖シリーズ』の第一作『八朔の雪』を読んだ当時のメモに書いていました。
高田郁の作品は宇江佐真理作品に比べ更に印象が優しい気がします。
これは読みやすいということでもあるのでしょうが、逆に短所なのかもしれません。読後感が宇江佐真理作品に比べて若干軽い気がするのです。
これは主人公が料理人である娘だから、ということではなく、作者の個性の差なのでしょうか、それとも筆力の差なのでしょうか。
作品は市井に生きる人々の生活を描く山本一力の書くそれにも似ています。
しかし、山本一力の文章は力強くきちんと構築されているのに対し、高田郁の文章はどちらかというと宇江佐真理の文体に近く、人を見つめる目が優しいと感じられます。
このことは現代小説についても同様で、やはり、作者の視点はかわりません。
あたたかな人情話を好む人には特にお勧めの作家ではないでしょうか。この人の作品は、今のところはずれはありません。
[投稿日] 2015年04月13日 [最終更新日] 2021年7月19日