鈴木 英治

陽炎時雨 幻の剣シリーズ

イラスト1
Pocket


剣術道場の一人娘・七緒は、嫁入り前のお年頃。耄碌のはじまった祖父の秋重治左衛門のもと、師範代として稽古をつける日々。町のやくざ者を懲らしめる、剣の腕と好奇心の持ち主でもある。ある日、道場の門前に男が行き倒れていた。ただの空腹だったというその男は、七緒や門人たちの前で、からくり人形を操り出すのだが…。

新しく始まった陽炎時雨 幻の剣シリーズの第一巻です。

 

登場人物は秋重治左衛門とその孫娘の七緒、北町奉行所同心の和倉信兵衛その手下の善造、加えてやくざまがいの岡っ引きの達吉達、とまあありそうな面子が並んでいます。

秋重治左衛門は剣術道場の師範であり、七緒は師範代という腕前です。

七緒には兄蔵之進がいたのですが、惨殺されており、和倉信兵衛はその探索をも行っています。兄は何故殺されたのか、がシリーズを貫く謎になるのでしょう。

 

和倉信兵衛は、全ての歯を抜かれた死体を検分していた。続けてまた全ての歯を抜かれた人殺しが起こり和倉信兵衛は更なる探索を続ける。

一方、七緒の道場の前で生き倒れていた男を介抱した七緒はその男の身元を探ることになる。

 

本書も鈴木英治作品らしく、読み易く、キャラも立って面白そうです。

しかし、本書の謎は頂けません。かなり無理があり、とても話について行けませんでした。

また結末も安易としか思えず、この作家らしくない纏め方という印象しかありませんでした。

でも、鈴木英治という作家が書いているのですから、次の巻からはまた面白い物語が展開することを期待します。

[投稿日]2015年04月13日  [最終更新日]2020年6月15日
Pocket

おすすめの小説

おすすめの痛快時代小説

軍鶏侍シリーズ ( 野口 卓 )
デビュー作の軍鶏侍は、藤沢周平作品を思わせる作風で、非常に読みやすく、当初から高い評価を受けています。
酔いどれ小籐次シリーズ ( 佐伯泰英 )
風采の上がらない身の丈五尺一寸の五十男の、しかしながら来島水軍流遣い手である赤目小籐次が、旧主の恥をそそぐために、単身で大名四藩に喧嘩を売る、爽快感満載の痛快活劇時代小説です。
用心棒日月抄 ( 藤沢周平 )
青江又八郎は藩の政争に巻き込まれ、脱藩せざるを得なくなり、江戸へと逃亡する。用心棒稼業で暮らしながらも追手との戦いも待ち受けるのだった。
吉原御免状 ( 隆慶一郎 )
色里吉原を舞台に神君徳川家康が書いたといわれる神君御免状を巡り、宮本武蔵に肥後で鍛えられた松永誠一郎が、裏柳生を相手に活躍する波乱万丈の物語です。
風の市兵衛シリーズ ( 辻堂 魁 )
主人公が「渡り用人」というユニークな設定で、痛快と言うにふさわしい、とても読み易いシリーズです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です