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池井戸 潤 雑感

池井戸 潤』のプロフィール

 

1963年生まれ、岐阜県出身。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞、翌年『下町ロケット』で第145回直木賞、20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(「ガウディ計画」「ゴースト」「ヤタガラス」)、「民王」シリーズ(『民王』『民王 シベリアの陰謀』)、『空飛ぶタイヤ』『株価暴落』『かばん屋の相続』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『ノーサイド・ゲーム』などがある。

引用元:文春BOOKS 『シャイロックの子供たち』

 

池井戸 潤』について

 

元銀行マンという経歴を生かした経済小説として、『半沢直樹シリーズ』などの銀行を舞台にした小説を中心に、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』などの企業小説を数多く書かれ、少なからずの作品がテレビドラマ化されてヒットしています。

池井戸潤の小説は城山三郎堺屋太一らの経済小説とはまた異なり、よりエンターテインメント性が強調された作品になっていると思われます。

城山三郎らの小説は、組織の中での個人の挑戦や努力などの人間ドラマが中心となって展開されているのに対し、池井戸潤の小説の場合は同じ人間ドラマであるにしても、より爽快感の強い痛快小説としての一面を持っているのです。

[投稿日] 2016年10月13日  [最終更新日] 2022年8月24日
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おすすめの小説

おすすめの経済小説作家

下記に挙げた作家さんは、私が少なくとも一冊は読んだことのある作家さんです。
獅子 文六
殆ど「大番」しか読んでいないようなものですが、株取引の世界を描いたこの物語は、快男児赤羽丑之助が出世していく様を描いた痛快青春小説です。
城山 三郎
経済小説の第一人者と言えばこの人だと思います。「価格破壊」などのような直接的なものもあれば、「官僚たちの夏」や「真昼のワンマン・オフィス」、「毎日が日曜日」のような社会の一線で働く人たちを描いた小説などがあります。他に、広田弘毅を描いた「落日燃ゆ」のような作品も書いておられます。
堺屋 太一
作者は1978年に通商産業省を退官されその後小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務められた人です。「油断!」や「団塊の世代」は、作者が通産官僚時代に書かれた本です。前者は、原油の供給が断たれた社会のシミュレーション小説であり、後者は「団塊の世代」という言葉のもとになった小説でもあります。その後多方面で活躍されています。
深田 祐介
もともとは日本航空勤務のサラリーマン出会った人です。もともと大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「新西洋事情」などの執筆活動をされていたのですが、フィリピンの会社との間で為される材木取引を取り巻く男達を描いた「炎熱商人」で直木賞を受賞されます。その後専業作家となられました。
相場 英雄
狂牛病や食品偽装問題をテーマとした震える牛は、WOWWOWで連続ドラマW 震える牛としてドラマ化されました。

関連リンク

作家の読書道 第132回:池井戸潤さん
すべての働く人を元気にさせるエンターテインメント作品を発表し続け、昨年『下町ロケット』で直木賞に輝いた池井戸潤さん。幼い頃から「みんなが元気になる小説が書けたら」と思っていたのだとか。
企業も企業小説もまず「人間」 池井戸潤×池上彰対談(1) :日本経済新聞
企業小説(企業推理小説)とされる分野を開拓してきた池井戸さんの作品は会社という存在の根本を問いかけています。一方、ジャーナリズムの側から組織の問題に切り込んできたのが池上彰さんです。池井戸さんと、その作品のファンであるという池上さんの対談が実現しました。
階段を一歩上るとき(作家 池井戸潤)|インタビュー|転職成功ガイド
一見順風満帆に見える経歴だが、なかなか仕事がなかったり、自分の作品が思ったようにニーズに刺さらないなど、苦悩に喘いだ時期があったという。池井戸さんがその困難を乗り越えた方法とは?
なぜ日本人は池井戸潤ドラマに惹かれるのか | テレビ | 東洋経済オンライン
2013年の大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS系)から2年が過ぎてなお池井戸潤さん原作のドラマが支持される理由は、何なのでしょうか。
池井戸潤ドラマはなぜヒットする?:オピニオン:Chuo Online : YOMIURI
より正確に言い直すなら、「池井戸潤小説のテレビドラマ化作品はなぜヒットすることが多いのか?」となる。この問いを、これまでのテレビドラマ史に照らして考えてみよう。