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城山 三郎 雑感
私にとって経済小説といえば城山三郎です。
ダイエーの創業者中内功がモデルと言われる「価格破壊」を読んだのが最初だったのですが、当初は全くのノンフィクションだと思って読んでいたので、モデルがいると、それも当時一番勢いのあったダイエーの創業の物語だと知り驚いたものです。
その後、まだ社会に出たてだった私は、経済官僚を描いた「官僚たちの夏」や、世界の片すみで一人苦労している商社海外駐在員を描いた「真昼のワンマンオフィス」などを読むにつけ、現実の社会の仕組みの少しだけ触れた気がしていました。
「官僚たちの夏」は先般NHKでドラマ化もされたのでご存知の方も多いかと思います。
この城山三郎という作家はこのほかにも渋沢栄一を描いた「雄気堂々」や広田弘毅の生涯を描いた「落日燃ゆ」などの作品もあります。
また、NHK大河ドラマの原作でもある、呂宋助左衛門を描いた「黄金の日日」などの時代小説も著しています。
このように色々なジャンルの小説を書いてはいるのですが、結局はどの作品も経済小説に帰着するといって良いと思います。
そして、どの作品も物語として面白い作品です。
[投稿日] 2015年04月12日 [最終更新日] 2015年5月9日
おすすめの小説
おすすめの経済小説作家
少々古めの、しかし、今でも面白そうな作家さんたちを集めて見ました。
- 梶山 季之
- 私が若い頃、小豆相場を描いた「赤いダイヤ」この物語は大人気でドラマ化もされました。痛快小説ですね。多分、としか言えませんが、話自体は今の時代でも通用すると思います。
- 清水 一行
- ひと昔前の人気作家ではありますが、経済小説の草分け的存在として名を知られています。「虚業集団」、「銀行取付」ほか、現実に起きた事件をモデルに、その内幕を描き出して小説化されています。
- 堺屋 太一
- 作者は1978年に通商産業省を退官されその後小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務められた人です。「油断!」や「団塊の世代」は、作者が通産官僚時代に書かれた本です。前者は、原油の供給が断たれた社会のシミュレーション小説であり、後者は「団塊の世代」という言葉のもとになった小説でもあります。その後多方面で活躍されています。
- 深田 祐介
- もともとは日本航空勤務のサラリーマン出会った人です。もともと大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「新西洋事情」などの執筆活動をされていたのですが、フィリピンの会社との間で為される材木取引を取り巻く男達を描いた「炎熱商人」で直木賞を受賞されます。その後専業作家となられました。
- 獅子 文六
- 殆ど「大番」しか読んでいないようなものですが、株取引の世界を描いたこの物語は、快男児赤羽丑之助が出世していく様を描いた痛快青春小説です。