パティシエールの君川小麦は、自身の身体に重い秘密を抱えたまま、故郷・北伊豆で家族とケーキ屋を開いた。しかし、甥の吐夢からは「ここは流行らないよ」と謎の一言。その通り、店は瞬く間に行き詰まってしまう。力尽きた彼女に新たな勇気を吹きこんだのは、吐夢と、彼にしか見えない天使の“レイ”だった…。小麦のひたむきな再起を見届けたとき、読み手の心にも“見えない翼”が舞い降りる。感涙必至の家族小説。(「BOOK」データベースより)
宣伝文句でこれでもかと「泣ける話」と聞かされて読んだ本です。
結論から言うと、それほど「泣ける話」ではありませんでした。
簡単に言えば郷里に帰ってケーキ屋を開くために女の子が奮闘する物語ですが、そこに家族やその他の問題が降りかかります。
一つには甥っ子にだけ見えるという天使の“レイ”の存在というファンタジックな設定があったからかもしれないけど、『クローズド・ノート』ほどの満足感はなかったように思います。
でも、この作家の文章のテンポの良さはやはり素晴らしいと思いました。それなりに一気に読み終わりました。