深町 秋生

イラスト1
Pocket


新装版 果てしなき渇き』とは

 

本書『新装版 果てしなき渇き』は2005年01月に刊行されて2021年11月に新装版として上下巻合わせて511頁で文庫化された、長編のミステリー小説です。

第3回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞しており、かなりの評判を得た作品です。

 

新装版 果てしなき渇き』の簡単なあらすじ

 

第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、スマッシュ・ヒットとなった本作が新装版になって登場!部屋に麻薬のカケラを残し失綜した加奈子。その行方を追う元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友からひどいイジメにあっていた尚人は、唯一自分を助けてくれた加奈子に恋心を抱くようになるが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子という少女の輪郭。彼女は果たして天使なのか悪魔なのか。(新装版 上巻 :「BOOK」データベースより)

尚人は加奈子に会いたいがため、皆が恐れる不良グループ“アポカリプス”のパーティに参加することになる。一方、娘の捜索を続ける藤島は、加奈子がある大きな組織に追われていることを知る。探れば探るほどに深くなる彼女の闇。加奈子に狂わされた男たちの運命は。そして待ち受ける驚愕の結末とは。全選考委員が圧倒された『このミス』大賞受賞作品。読む者の心を震わせる暗き情念の問題作が、新装版になって登場。(新装版 下巻 :「BOOK」データベースより)

 

新装版 果てしなき渇き』の感想

 

先にも書いたように、本書『新装版 果てしなき渇き』は第3回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞した作品です。

ただ、私が本書を読んだのはかなり前のことであり、「このミス」受賞作とはいっても、バイオレンスの印象は残っているものの、内容についてはほとんど記憶にありませんでした。

今回の映画のストーリーを聞いて、漠然とその内容を思い出したほどなのです。

決して私の嫌いなジャンルではなく、どちらかというと好きなジャンルの筈なのに記憶に残っていないというのですから、多分、この作者深町秋生との相性があっていないのではないかと思います。

ところが、その後の深町秋生作品はどちらかというとのめり込んで読んでいるので、再び読み直そうかと思っているところです。

 

2014年に本書『新装版 果てしなき渇き』を原作とする映画が公開されました。役所広司という当代きっての役者さんを起用しての作品です。

「少なくともレンタルでも見ようとは思っています」、と以前はここにも書いてはいたのだけれど、残念ながら2022年6月の今になっても見れないでいます。

加奈子役の小松菜奈の演技がかなり衝撃的で高評価だった記憶があります。

 

 

[投稿日]2015年04月18日  [最終更新日]2022年6月1日
Pocket

おすすめの小説

暴力に満ちた小説

Qrosの女 ( 誉田 哲也 )
誉田哲也著の『Qrosの女』は、「芸能界」と「週刊誌」を舞台とする、誉田哲也の小説はグロいという声を聞いて、それならばと著者自らが誉田初の「幸せな嘘の物語」だとした仕上げた、サスペンスの要素も詰まったエンターテインメント長編小説です。
ガダラの豚 ( 中島らも )
この作品をアクション小説と言い切っていいものか、非情な疑問はありますが、少なくとも暴力に満ちた作品ではあります。文庫本で1000頁近くもある大作です。
孤狼の血シリーズ ( 柚月 裕子 )
菅原文太主演の映画『仁義なき戦い』を思い出させる、ヤクザの交わす小気味いい広島弁が飛び交う小説です。それでいてヤクザものではない、警察小説なのです。この手の暴力団ものが嫌いな人には最も嫌われるタイプの本かもしれません。
ダイナー( 平山夢明 )
第28回日本冒険小説協会大賞、及び第13回大藪春彦賞を受賞した、暴力とエロス、グロさ、そして愛までも加味された、インパクト十分の長編のエンターテインメント小説です。
ババヤガの夜 ( 王谷晶 )
暴力こそ趣味という女性を主人公にした、ソフトカバー版で181頁という分量を持つ長編のバイオレンスアクション小説です。分量のわりに一頁の文字数は少なく読みやすいのですが、今一つ好みとは異なる作品でした。

関連リンク

『果てしなき渇き』(宝島社) - 著者:深町 秋生 - 速水 健朗
主人公は、元刑事の中年男。暴力事件で家族と職を失った男の元に、元妻から17歳の娘の失踪という報が入る。本作は、その娘を探すミステリー。優等生と評判だった娘の行方...
賛否両論 映画『渇き。』の評価が真っ二つ
第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」を映画化した『渇き。』。『告白』の中島哲也監督がメガホンをとり、主役に役所広司、...
渇き。 少女にささげた犯罪映画 - NIKKEI STYLE - 日本経済新聞
過激な暴力にみちた犯罪ミステリーで人気上昇中の作家、深町秋生のデビュー作「果てしなき渇き」(2005年刊)を、「下妻物語」(04年)、「告白」(10年)等、はで...
中島哲也監督×役所広司、新作『渇き。』…「血まみれで撮影中です」
2010年、『告白』で日本中の度肝を抜いた中島哲也監督の最新作が、「第3回このミステリーがすごい!大賞」を受賞した深町秋生のデビュー作『果てしなき渇き』の映画化...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です