北方 謙三 雑感
『北方謙三』のプロフィール
1947(昭和22)年、佐賀県生れ。中央大学卒業後、1970年に『明るい街へ』でデビュー。1981年の『弔鐘はるかなり』で脚光を浴び、1983年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。1984年に『檻』で日本冒険小説協会大賞、1985年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。平成元年から歴史小説にも挑み、1991年『破軍の星』で柴田錬三郎賞受賞。2006年、『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞。2007年、『独り群せず』で舟橋聖一文学賞を受賞。2010年、日本ミステリー文学大賞受賞。2011年、『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。2013年、紫綬褒章受章。2016年、「大水滸伝」シリーズ全51巻で菊池寛賞を受賞する。2020年2月現在、壮大なスケールでチンギス・カンの生涯を描く『チンギス紀』を連載中。
引用元:北方謙三 | 著者プロフィール
『北方謙三』について
北方謙三という作家さんは、とにかく正統派のハードボイルド作家です。全体的に物語のトーンは低く、短いセンテンスでたたみかけるようなその文体は「男」を強烈に感じさせます。
私の一番好きな「ブラディ・ドール」と「約束の街」シリーズはその最たるもので、同じ世界観を持っています、と思っていたら「街」シリーズの終わりの方では両シリーズが合体してしまいました。
一方、「挑戦」シリーズのように冒険小説的な匂いを持ち、物語のトーンが低いとはいえない作品もあるのですが、それでもやはり根底は「男」を感じさせる物語に仕上がっていると言って良いのではないでしょうか。
ある時期から時代小説や歴史小説にも手を染められています。でもやはり北方節は健在です。
更には中国文学の新解釈による再構成もされています。ここでも北方節は健在なのですが、物語の底に流れていた暗いトーンは影を潜め力強さを感じさせてくれる文体になってます。
「三国志」や「水滸伝」など10巻以上にわたる大作を順次発表されています。これらがまた面白く、是非読まれることをお勧めします。
北方謙三作品は作品数も多く、一概には語れません。ただ、どの作品も高水準のものばかりだ、とは言えると思います。
北方謙三の作品は殆どの作品を読んでいる、と一時期は言えたのですが、『大水滸伝シリーズ』以降の作品はなかなか読めていません。
これからは時間を見つけて読み続けようと思っています。