今井 絵美子 雑感
1945年 広島県生まれ
成城大学文芸学部卒
画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。1998年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作
2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。
2002年第2回中・近世文学大賞最終候補作となった「蘇鉄の人 玉蘊」を郁朋社より刊行。
2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学大賞・笹沢佐保賞受賞。
(出典 : 今井絵美子のページ 今井絵美子 略歴 より)
宇江佐真理、高田郁と読んできて、他に読後感が心地よい作者はいないかと探している時に出会ったのが「立場茶屋おりきシリーズ」でした。
読んでみるとなかなかに読みやすいのです。文章もリズムがあり、何より、四季の移ろいの描写、人物の心理描写が丁寧な語り口で語られ、読後感が気持ちのいいものがありました。
宇江佐真理や高田郁の語り口とはまた違った趣で人情を語っていて、お勧めです。
ただ、初期の作品での表現と現在とではその作風に少々違いが出てきています。丁寧な描写ではあるのですが、特に会話文で若干独特な言いまわしが出てきていて、少々感情移入しにくくなっているのです。
また、状況説明を会話の中で語らせたりする場面があったりと、私個人の好みの問題に過ぎないかも知れませんが、若干の違和感を感じています。当初の透明感のある作風が好みだったのですが。
健康を害されている旨のメールを頂いております。
無理をしない範囲で、納得のいかれる作品を書かれてください、としか言いようがありません。お大事になさってください。
追記
本稿の最終更新日が2017年2月25日だったのですが、その年の10月8日に永眠されていたそうです。
先に書いたように、近年の今井美恵子さんの作風が私の好みと離れていたため、最終更新日のあと一度も本稿を見ていませんでした。
そのため四年以上も今井さん死去の事実を知らずにいたことを悔いております。
遅ればせながらご冥福をお祈りいたします。