武家の娘であったおりきが立場茶屋の2代目女将になって、旅籠の客や町の住人達の事件に巻き込まれたり、立ち向かったりする、定番ものではあります。
しかしこの主人公は武家上がりであるだけに何かしらの武術のたしなみがあるためかと思うのですが、少々の男ではかなわない凛とした強さを持っています。
そうした設定の主人公だからというわけではないのですが、例えば高田郁の『みをつくし料理帖シリーズ』の文章には少々物足らない感じを抱く方も、このシリーズには満足できるのでないでしょうか。料理が大切な要素になっていることも一興でしょう。
ただ、巻が進むにつれ、ちょっとせりふが長いかなと思われ、その点を嫌う人は少なからずいるのではないかと危惧されます。
蛇足ですが、旅籠の女主人という設定は平岩弓枝の「御宿かわせみ」が有名です。私は未読なのでお勧めというわけにはいかないのですが、一般に人気がある作品であることは間違いないでしょう。人気のあるシリーズなので全く触れないのも不親切かと思い付記します。そのうち読もうと思っています。
立場茶屋おりきシリーズ(2015年04月01日現在)
- さくら舞う
- 行合橋
- 秋の蝶
- 月影の舞
- 秋螢
- 忘れ雪
- 若菜摘み
- 母子草
- 願の糸
- 雪割草
- 虎が雨
- こぼれ萩
- 泣きのお銀
- 品の月
- 極楽日和
- 凜として
- 花かがり
- 君影草
- 指きり
- 由縁の月