夏川 草介

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小学館

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神様のカルテシリーズは、医療小説である以上宿命ともいうべき「命の重さ」について考えさせられる物語です。シリーズを通して医師のあり方、医療への関わり方が問われています。

具体的には、医療現場での患者への誠実な対応と先端治療の勉強という二律背反などの問題ですね。勉強するには現場を離れなければならず、患者に向き合うと勉強ができないという問題です。

そして各巻ごとに例えば一巻目では地域医療や終末医療の問題などのテーマも取り上げられています。

「神様のカルテ」と銘打たれたこのシリーズは、勿論医療現場の描写も分かりやすく、医師や看護師らの命に対する取り組みは、現役の医師ならではの雰囲気と臨場感とをもたらしています。つまりは現役の医師だという著者自身が日常的に直面しておられる問題が小説にも反映していると思われます。

こう言うとテーマは重そうですが、優しく軽妙な語り口と、主人公やその妻ハル、彼らの住んでいる特殊なアパートの同居人たち、そして勤務先の医師や看護師といった登場人物らのユーモアに満ちた人物造型は、とても読みやすい物語として成立しています。

医者が主人公の物語は数多く、一昔前は 山崎豊子の『白い巨塔』がありましたし、今では 海堂尊の『チーム・バチスタの栄光』をはじめとする一連の物語があります。

他にコミックでも『ブラックジャック』、『ブラックジャックによろしく』、『ドクターX』『医龍』などキリがありません。これらの作品を原作としてテレビドラマでも多数作られています。

 

テレビドラマと言えば大人気となったアメリカの『ER 緊急救命室』は、私にはめずらしくけっこうはまって見ました。医療関連のテーマと人間ドラマとがよく描かれていたのです。こうして見ると、日本の医療ドラマは見ていない私ですが、実際見ると面白いのかもしれないと思えてきました。

神様のカルテシリーズ(2015年04月01日現在)

  1. 神様のカルテ
  2. 神様のカルテ 2
  3. 神様のカルテ 3
  4. 神様のカルテ 0
[投稿日]2015年04月15日  [最終更新日]2018年10月13日
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医療小説作家の紹介

医療小説はあまり読んでいませんので、「小説新潮 2008年8月号」に「医療小説最前線 - 戦後の医療小説30選」として挙げられていた中から少々。作家と作品名だけ紹介しておきます。海堂尊氏も「チーム・バチスタの栄光」を始め5冊が挙げられています。
遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
「海と毒薬」
荻原 浩(おぎわら ひろし)
「明日の記憶」
奥田 英朗(おくだ ひでお)
「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」
加賀 乙彦(かが おとひこ)
「生きている心臓」
鴨志田 穣(かもしだ ゆたか)
「酔いがさめたら、うちに帰ろう」
榊 邦彦(さかき くにひこ)
「100万分の1の恋人」
曽野 綾子(その あやこ)
「神の汚れた手」
中島 らも(なかじま らも)
「今夜、すべてのバーで」
南木 佳士(なぎ けいし)
「医学生」
帚木 蓬生(ははきぎ ほうせい)
「閉鎖病棟」
東野 圭吾(ひがしの けいご)
「使命と魂のリミット」
久間 十義(ひさま じゅうぎ)
「生命徴候あり」
松尾 スズキ(まつお スズキ)
「クワイエットルームにようこそ」
松樹 剛史(まつき たけし)
「スポーツドクター」
山崎 豊子
白い巨塔
柳 美里(ゆう みり)
「命」
吉村 昭(よしむら あきら)
「神々の沈黙」「消えた鼓動・心臓移植を追って」「冷い夏、熱い夏」
渡辺 淳一(わたなべ じゅんいち)
「ダブル・ハート」

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小説『神様のカルテ』作者 現役医師・夏川草介が語る地方医療の現在
リアルな医療現場を描きながらも、「悲しむことが苦手」という主人公の医師・栗原一止や、彼を支えるパートナーであるハルさんのあどけない魅力など、登場人物のキャラクターがはっきりとしていて誰もが楽しむことができる。

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