山崎 豊子

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文庫

新潮社

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国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎。食道噴門癌の手術を得意とし、マスコミでも脚光を浴びている彼は、当然、次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし、現教授の東は、財前の傲慢な性格を嫌い、他大学からの移入を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父の財力とOB会の後押しを受けた財前は、あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとする。(「BOOK」データベースより)

昔、テレビで放映されていたのを見た記憶があります。田宮二郎演じる主人公の財前五郎は勿論、山本學の里見脩二が田宮二郎を上回る印象を残しています。このテレビを見たのが先で、その後原作を読んだのかもしれません。そこらの記憶はあいまいです。

しかし、本作品が閉鎖的であった大学病院の医局の内実を明らかにし、1960年代の各方面に大変な影響を与えたのだと後に聞きました。

私が見た田宮版のテレビ放映が1978年ということですから、原作を読んだのもこの頃です。多分「白い巨塔」を読んで山崎豊子作品にはまったと思うのです。「不毛地帯」も「華麗なる一族」もこの当時一気に読んだ筈です。

特に「白い巨塔」は、大学病院の医局という全く未知の社会が描かれていること、そこで繰り広げられる人間模様が尋常ではない緊迫感をもって描写されていること、何より自分の野心の実現のためには手段を選ばない主人公財前五郎が実に生き生きと描写されており、その財前に対する良心とも言うべき里見脩二やその他のキャラクターが非常に良く描けていること等、物語としての面白さの要素が満ち溢れているのです。

小説とはかくあるべきというお手本のような作品です。是非読むべきです。

[投稿日]2015年04月21日  [最終更新日]2015年4月21日
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