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黒川 博行 雑感

愛媛県今治市生まれ。
京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。
スーパー勤務、高校の美術教師を経て、『二度のお別れ』がサントリーミステリー大賞佳作。
『キャッツアイころがった』で同賞大賞を受賞。
『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞[短編および連作短編集部門]を受賞。
『破門』で第151回直木賞(平成26年/2014年上期)を受賞。

妻は日本画家の黒川雅子。

黒川博行という作家の一番の特徴はと言えば、その軽妙な大阪弁による会話文にありそうです。とは言っても、私はまだ疫病神シリーズと堀内・伊達シリーズしか読んではいないのですが、いろいろ調べてみると他の作品でもそのコミカルさは変わっていないと思われます。

次いで挙げるとすれば、物語の緻密な書き込みでしょうか。どの物語も簡単に読み飛ばして読める作品ではなさそうです。やはりじっくりと腰を据えて濃密に書きこまれた物語の世界に浸ってこそ、黒川博行作品の醍醐味が味わえると思います。

[投稿日] 2015年11月26日  [最終更新日] 2015年11月26日
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読み応えのある物語を書かれるおすすめの作家

綿密に書きこまれた小説です。決して軽く読み飛ばすことはできませんが、読後は十分な満足感を得られる作品群です。
高村 薫
警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補が登場する最初の作品が「マークスの山」で直木賞を受賞しています。重厚と言っても間違いではないと思われる、よく書き込まれた小説です。
堂場 瞬一
胸を熱くするスポーツ小説の名手でもあるこの作家は、またハードボイルドタッチの作品も書かれています。孤高の刑事鳴沢了の活躍を描く「刑事・鳴沢了シリーズ」は圧巻です。
大沢 在昌
多彩な作家で、冒険小説をメインに書かれていますが、「新宿鮫」を最初とする、新宿署の鮫島警部の活躍を描く「新宿鮫」シリーズはお勧めです。シリーズ三作目の『毒猿』はシリーズ最高との呼び声が高く、シリーズ三作目の『無間人形』で直木賞を受賞しています。
横山 秀夫
どの作品も、従来の警察小説とは視点を異にしています。NHKでドラマ化もされた「64(ロクヨン)」にしても主人公は広報官です。また検視官や新聞記者など多彩です。勿論普通に捜査官が主人公になっている作品もあります。どの作品もよく練り上げられている感じが、読んでいて物語の厚みとなって感じられます。
笹本 稜平
山岳小説の笹本稜平とはまた別の顔があります。どちらかというと、正統派というよりも個人がメインの冒険小説的な物語が多いようです。とはいえ、「越境捜査」では仲間と組んで動いたりもします。
東 直己
探偵・畝原シリーズ」札幌を舞台にしたハードボイルド小説です。探偵の畝原の地道な活躍を描き出しています。映画化もされた、ユーモラスなススキノ探偵シリーズの方が有名かもしれませんが、このシリーズも実に味わい深いものがあります。
月村 了衛
特に「機龍警察」から始まるシリーズは、アニメの「機動警察パトレイバー」の世界を重厚に組み立てなおしたような、実に読み応えのある冒険小説としても成立している作品です。
小川 一水
SF、それもハードSFに分類される作品を多く書かれています。丁寧に書きこまれた作品は実に読み応えがある作品です。
乃南 アサ
濃厚で読みごたえのある作品を多く書かれています。とくに「女刑事・音道貴子シリーズ」の「凍える牙」は重厚な作品で読み応えがあります。直木賞受賞作です。

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