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影の火盗犯科帳シリーズ(2019年10月01日現在)

  1. 七つの送り火
  2. 忍びの覚悟
  3. 伊豆国の牢獄

 

本シリーズは、山岡吾郎作景之という人物を主人公に据えた長編の痛快時代小説です。

火付盗賊改役というと、 池波正太郎の『鬼平犯科帳』があまりにも有名です。

鬼平犯科帳』という作品は、やはり実在の人物である火付盗賊改方長官の長谷川平蔵を主人公とする物語であり、他の追随を許さない作品として、八代目松本幸四郎や二代目中村吉右衛門ほかの役者を主役として幾度もテレビドラマ化もされた大人気小説です( ウィキペディア : 参照 )。

 

 

本書の主人公である山岡吾郎作景之という人物は、1756年(宝暦6年)に火付盗賊改に就任したという歴史上に実在した人物であり、甲賀忍者伴氏の末裔だという設定も歴史的な事実であり、そのことをもとに本書では忍者集団を率いて火付盗賊改の役務を全うしたという物語になっています。( ウィキペディア : 参照 )。

 

本書本文によりますと、火付盗賊改役とは、「泰平の世が続いてはいたものの、次第に凶悪な犯罪が増えて、次第に町奉行所だけでは治安維持が難しくなって」きたため、町奉行所よりも勝る武力を持った軍警察ともいうべき盗賊追捕の役を設けたものであり、「戦時には将軍先陣を切る精鋭である先手弓組、鉄砲組の頭が加役として兼務した」とありました。

 

本シリーズの登場人物としては、主人公である御先手鉄砲組頭であった山岡景之がまずいます。

そもそもこの山岡家はもともと甲賀忍者を率いる小領主の家柄であり、明智光秀の謀反である本能寺の変の際し、徳川家康が逃走のために伊賀越えを行ったときに服部半蔵らと共に景之の先祖である山岡景佑がこれを助けたことにより徳川家に召し抱えられたそうです(本書本文より)。

その甲賀忍者の領主であった地位はこの物語の時代にも貫かれており、景之は彼ら忍びの力を借りて火盗改めの役務を果たすことになっているのです。

その「影火盗組」と呼ばれる忍びの集団として景之を助けるのが小姓頭の芥川光之進であり、また若党の黒川雄四郎、中間の五平、侍女のという四人です。

それに、かつて景之が世話になり、第一巻の第一話でも登場する六道の辻の弥三郎が「影火盗組」に加わります。

また、学才に長けた能筆の素浪人として多田文四郎がおり、さらに火付盗賊改め方与力の八田左近が景之を助けます。

他に、景之の家族として、妻の美里がおり、景之は何かにつけこの美里に助けられています。また草八郎という数えで十三歳になる一人息子がいます。

そして、田沼意次大岡忠光という歴史上の大物が景之の上司として登場しています。この大岡忠光はあの大岡越前守忠相の縁戚にあたる人物だそうです( ウィキペディア : 参照 )。

 

以上のような登場人物が、さまざまな事件を解決していくことになりますが、少なくとも第一巻に関してはかなり伝奇小説的な色合いを持っており、通常の痛快時代小説とは少々雰囲気を異にしています。

ともあれ、少々毛色の変わった時代小説としてひさしぶりにを読んでみる気になったシリーズです。

[投稿日]2019年10月04日  [最終更新日]2019年10月5日
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