葉室 麟

イラスト1
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文庫

祥伝社

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戸田秋谷は藩譜の作成と10年後の切腹が命ぜられていた。不始末をおこしその秋谷の元へつかわされる檀野庄三郎だったが、秋谷と生活を共にしていくうちにその人柄にふれ、藩の秘密との関わりの中でその助命を願うようになっていく。

この作品も十分な読み応えを感じる作品でした。

主人公である戸田秋谷の達観とも言うべき心根や、その息子郁太郎の武士の子としての心、そして本作品の語り手ともいうべき立場の檀野庄三郎の戸田秋谷や秋谷の娘薫への想い等々、登場人物それぞれの調和が読んでいて心地良く感じられました。

全体の構成としても、藩の過去の秘密に迫る家譜をめぐる謎ときの様相もあり、物語として読み手の興味をかきたてます。

更には、田舎の情景描写ひとつにしても読み手の心をを穏やかにするものでした。また、秋谷の家を「家の中に清々しい気が満ちている・・・」という一言で表わし、秋谷やその家族がどのような人柄あるのかまで表現している文章など、魅かれるものが多数あるのです。特に秋谷の「若かったころの自分をいとおしむ思い・・・」という台詞には心打たれました。このような表現もあるのかと、ただただ感じ入るばかりです。

第146回直木賞受賞作品です。

[投稿日]2014年12月25日  [最終更新日]2015年3月25日
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