有川 浩

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アスキーメディアワークス

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「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。どうなる『シアターフラッグ』!?書き下ろし。(「BOOK」データベースより)

 

シアターシリーズも二作目の長編小説です。

 

今回は更に劇団運営の難しさが描かれています。劇場の確保や宣伝、入れ物が既存の建物で無い場合の舞台設営の問題等々、私には全くの未知の分野なので、改めてその情報の面白さに惹かれました。

鉄血宰相こと春川司も一歩惹いたところで劇団をサポートするようになり、劇団員自身の自覚を促すようになっています。と同時に、少人数の劇団とはいえ人間関係も様々な軋轢も生まれています。勿論、と言って良いのか、この作家ですから人間関係と言えば恋愛のもつれということになるのですが。

 

空の中」はごく初期の作品であって、何となくの不満が残ったものですが、本作品ともなると背景や人物の描写にも厚みが出てきて、気楽に読めるこの人の作品自体の面白さも増していると感じられます。

 

 

ただ、あいかわらず春川司の事務能力、人間観察能力は素晴らしく、ちょっと切れ者すぎるのではないかという印象を受けるのは、前作と同じです。仕事そもののを上手くこなすだけではなく、人間の心裡までをも適切に推し量ることのできる人はそうはいないと思うのです。

それとも、私が現実の会社生活というものを知らないだけで、こうした人物造形は在り得るものなのでしょうか。これほどに切れる人間はあまりいないと思うのは私だけなのでしょうか。

 

とはいえ、物語としては在り得ない設定とまでは言えず、実際心地よく読める物語として仕上がっているのですから、問題無いのでしょう。

[投稿日]2015年03月31日  [最終更新日]2019年2月7日
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