R・A・ハインライン 雑感
R・A・ハインラインは、SF界では言わずと知れた御三家の一人で、A・C・クラーク、I・アシモフと共に挙げられる名前です。
ジュブナイルを多数書いていることもあるのかもしれませんが、ハインラインの文章はとても読みやすく(翻訳者の方の努力もあってのことでしょうが)、読んでいてとても楽に感じます。その文章を前提にしてのストーリーテラーなのですから、その作品が魅力的なのは当然のことなのでしょう。
ハインラインに関しては種々の批判があったようですが、個人的にはそういう批判に該当するようなことを感じたことはありません。
確かに、初期作品と後期の作品とではその傾向に違いがあるのは事実だと思います。特に後期作品に社会的な主張が入り、若干の説教臭さを感じなくもありません。
しかし私にとっては対象の作品が面白いかどうかだけが問題であり、そしてハインラインは非常に面白かったのです。読み方が浅いと言われればそれまでですが。
個人的には、SFの醍醐味はかつて言われたセンス・オブ・ワンダーに尽きると思っています。
多義的なこの言葉の意味を一言で説明するのは難しいのですが、誤解を恐れずに言えば作品を読んだときに感じる不思議さ、驚異に対する「思い」だと思っているのです。
見知らぬ世界の描写に対する興奮であり、喜びです。上記の御三家はその興奮をもたらしてくれる度合いが高いのです。
SFを好きな人もそうでない人も、この三人の物語を読んだことのない人にはまずは一度読んでもらいたいと思っています。お勧めです。
このサイトで取り上げている作品はあくまで参考です。ほかにも面白い作品はありますし、特に短編にはおすすめの作品が勢揃いしています。
[投稿日] 2015年04月29日 [最終更新日] 2020年1月8日