ちょっとした行き違いからガキに腹を刺されて入院した“俺”は、見舞いにきた自称「霊能力者」こと濱谷のオバチャンの依頼で、女子高生の家庭調査を引き受けるハメに。軽い気持ちで手を付けたこの一件と、自分を刺した犯人探しとが交錯した時、すでに札幌の闇に蠢く巨大な陰謀に巻き込まれていることに、“俺”は気づくのだった。いまどきの高校生に翻弄されながらも、ススキノの中年便利屋が奮闘する軽快ハードボイルド。(「BOOK」データベースより)
「ススキノ探偵シリーズ」の長編第六弾となるハードボイルド小説です。
本書の物語の別な側面として描かれている作品として「ススキノ・ハーフボイルド」があります。
本書の話が動き出すきっかけとなる存在でもある高校生の松井省吾が主人公である作品なのですが、この高校生はススキノ探偵の「俺」の投影でもあるようで、これまたなかなかに面白い作品です。
この作品には他のシリーズ内の作品や探偵畝原シリーズの共通の登場人物も顔を見せたり、東直巳ワールドが展開します。