俺は松井省吾。高校3年の受験生だ。夜のススキノで働く素敵な恋人もいるし、客引きのアキラさんなど友人も増え、最近ようやくススキノが“自分の街”になってきたところだ。―夏休みに入ったばかりのある日、クラスメイトの勝呂麗奈が覚醒剤使用で警察に捕まった。暴力団の組長である男と一緒だったらしい。なんとか助けだそうと騒ぐクラスのお節介女子たちの活動に、俺はむりやり巻き込まれ…。青春ユーモア・ハードボイルドの傑作、待望の新装版。(「BOOK」データベースより)
『ススキノ探偵シリーズ』の『駆けてきた少女』の物語を、別視点の松井省吾から見た物語です
主人公の松井省吾は、『ススキノ探偵シリーズ』の「俺」の投影であるとも読むことができ、そうした観点でも面白い物語です。
確かに私の高校時代の仲間にこれに近い奴がいたのだけれど、ちょっと違うかともまた感じてしまう、そんな微妙に大人びた高校生が主人公です。でも、柏木みたいな女子高校生はいなかった。