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辻村 深月 雑感

1980(昭和55)年生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004(平成16)年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。著書に『ぼくのメジャースプーン』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『オーダーメイド殺人クラブ』『水底フェスタ』『盲目的な恋と友情』『朝が来る』『東京會舘とわたし』『クローバーナイト』など。( 辻村深月 | 著者プロフィール | 新潮社 : 参照 )

私がこの作家の本を最初に読んだのが第147回直木賞を受賞した『鍵のない夢を見る』でした。

日常からのちょっとした逸脱に翻弄される女性達を描いた作品集でしたが、どうにも物語に救いを感じることができず、最後まで読みはしたものの、決して好印象というわけではありませんでした。

そういう次第で、その後この作家の作品は全く読んでいなかったのですが、今回本屋大賞を受賞したことをきっかけに『かがみの孤城』を読んだところ、この作家の印象が一変しました。

描いてあるのは「いじめ」ですが、いじめという言葉を使わずに、主人公ら中学生の心の裡を丁寧に描き出し、単なる子供同士のいじめを越えた、自分の居場所を失ってしまった子供たちの心情を、包み込むような優しさで描いてあります。

ミステリーとしての要素を持ったこの作品を読んで、更に別な作品も読んでみようと改めて思うようになりました。

多分ですが、いろいろな顔を持った作家さんなのでしょう。その一面だけで破断してしまった自分の不明を恥じるばかりです。

[投稿日] 2018年06月29日  [最終更新日] 2018年6月29日
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