恩田 陸 雑感
この作家は一言では語ることが出来ない作家だと思います。
最初に読んだ「夜のピクニック」は青春小説の傑作で、次に読んだ「ネクロポリス」は負のダークファンタジーと言ってもよさそうだし、デビュー作の「六番目の小夜子」はホラーチックなミステリー要素を含んだ青春小説なのでしょう。このジャンル分けも微妙なんですけどね。
ただ、文章は読みやすいですが、そのファンタジックな想像力に振り回されないようにする努力はいるかもしれません。
私はまだ紹介作品の他に「ブラザー・サン シスター・ムーン」や「黒と茶の幻想」など全部で八冊しか読んでいないのですが、結構多作な作家なので未読の作品で面白いものが眠っているはずだと思っています。「麦の海に沈む果実」などが人気が高そうです。
2017年本屋大賞が決まりました!
2017年4月11日に、本屋大賞が発表されました。(「本屋大賞」 : 参照 )
受賞作は恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』であり、156回直木三十五賞との同時受賞ということになりました。2005年の本屋大賞を受賞した『夜のピクニック』に次いで二回目ということになります。
受賞作の『蜜蜂と遠雷』ですが、この作品は著者本人の言葉によると「青春音楽群像小説」だそうです。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがある、芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台に繰り広げられる青春群像劇ということです。
私はまだ読んでいませんが、出来るだけ早く読み合いものです。
[投稿日] 2015年04月08日 [最終更新日] 2017年4月12日