若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
生命保険業界を舞台に人間の怖さを描き出す、第4回日本ホラー小説大賞を受賞した作品です。
今まで読んだホラー小説の中で一番怖かった作品かもしれません。
この作家の作品を見ているとどれも人間心裡に踏み込んで、そこから恐怖を紡ぎだしてきている感じがします。
本書などその最たるもので、いわゆるホラーで思い浮かべる超人間的、超自然的なものの存在ではなく、人間こそが一番怖いのだと心から思い知らされます。
いわゆる超自然的存在の巻き起こす恐怖をテーマとするいわゆるホラーを期待しているとかなり違います。アクション性は全くありません。その点をふまえた上で人間の抱える本質的異常性を恐る恐る覗き見してください。
大竹しのぶ主演で映画化され、大竹しのぶの演技が評判になりました。