貴志 祐介

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文藝春秋

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晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。そんな〝どこから見ても良い教師〟は、実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく次々と殺害してきたサイコパス。美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、〝モリタート〟の口笛を吹きながら、放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。
( 上巻 :「BOOK」データベースより)

蓮実聖司は問題解決のために裏で巧妙な細工と犯罪を重ねていた。三人の生徒が蓮実の真の貌に気づくが時すでに遅く、学園祭の準備に集まったクラスを襲う、血塗られた恐怖の一夜。蓮実による狂気の殺戮が始まった!ミステリー界の話題を攫った超弩級エンターテインメント。( 下巻 :「BOOK」データベースより)

 

とある高校を舞台に一人の教師が生徒を惨殺していくその様子を描いた、文庫本で上下二巻からなる長編のスリラー小説です。

 

前評判や『新世界より』などの驚愕のイメージの世界を期待して読んだためなのか、本作品は期待外れ感が大きい結果となってしまいました。

 

 

主人公は生徒に非常に人気がある容姿端麗で頭脳明晰な高校教師の蓮実聖司です。

この教師が学校を自分の支配下に置こうと様々な工作を施し、また自分のクラスには学校支配のために都合の良い生徒や、容姿の魅力的な女生徒を集めるのです。

最初は学校運営を影から支配し、その上で密かに邪魔者を排除していくのですが、次第にその手段も大胆になっていきます。そしてついには・・・。

 

この学校に来るまでにも既に多数の殺人を犯しており発覚していません。そのことにより自信を深めている蓮見は、本校でも思うがままの行動をとります。

その行動が、客観的に見るとあまり緻密な行動の結果とは思えず、事件が発覚しないという設定そのものが違和感を感じてしまうのです。

そうした何件かの殺人の末に、ついにはクラスの生徒全員の殺害という手段に出ざるを得なくなるのですが、そこの設定もどうも感情移入できません。

 

確かに、教師が生徒全員を惨殺するという異常な設定なので感情移入しにくい、ということはあるかもしれません。

しかし、 高見広春の『バトル・ロワイアル』はかなり面白いと思って読めたので、状況の異常性が原因だとは思えません。

結局、本作品が貴志祐介という凄い力量を有する作家の作品という期待にそぐわなかったと言わざるを得ないようです。

 

 

評判を見てみると同じような意見の人も少なからず居るようで、決して私だけの意見ということでもないようです。

とにかく、感情移入できない結果、小説としてはかなり長過ぎると感じます。

しかし、この長さを長いと感じずに読む人もかなりの数に上ることもまた事実です。その人たちにとってはかなり面白い小説と評価されることでしょう。

[投稿日]2015年04月10日  [最終更新日]2020年6月24日
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