三浦 しをん

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本書『神去なあなあ夜話』は『神去なあなあ日常』の続編であり、連作の短編小説といってもよさそうな長編の青春小説です。

主人公の平野勇気が中村林業株式会社の正社員になっており、前話では語られなかったこの神去村についていろいろなことが明らかになっています。

 

三重県の山奥、神去村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!(「BOOK」データベースより)

 

本書『神去なあなあ夜話』は、「神去山の起源」「神去山の恋愛事情」「神去山のおやかたさん」「神去山の事故、遭難」「神去山の失せもの探し」「神去山のクリスマス」「神去山のいつもなあなあ」という全七夜の構成になっていて、ネット未接続のパソコンに入力されている読者のいない記録、という設定もそのままです。

 

そもそも本シリーズのタイトルは『「神去村(かむさりむら)」という字面と響きがかっこいい』ということで決まったらしいのです。

では「神様が去った村ってどんな村かな」ということになり、神去村の起源を書いたのが本書の第一話だそうです。

その後に第二話では、ヨキとその嫁みきさんの馴れ初めが語られ、第三話では山にある神の宿る木へと話は移ります。

 

このように本書『神去なあなあ夜話』では、神去村の歴史や前巻で紹介された登場人物の過去の出来事の紹介が為されています。

神去村の神話は、自然に対する畏敬の念を生活の中に持ち続ける神去村の人々の物語とも重なる話なのでしょうし、かつての悲惨な事故はヨキと中村林業社長の清一さんとの現在の関係を物語るものでもあります。

失せもの探しに霊験あらたかなお稲荷さんの話は、神去村の不思議話であり、清一さんちでのクリスマスの話は、山の仲間の心温まる物語であって、神去村の住民の自然を大事にしながら、仲間と共に生きる姿が語られています。

 

勿論、本書『神去なあなあ夜話』では山のトリビア的知識もちりばめられていますし、また、勇気と直記との恋の行方も記してあります。というよりも、全体を通して、この二人の恋の進展が語られているのです。

前作に比べると少々全体として小ぶりになっている感じはありますが、それでも三浦しをんの物語です。軽く読めて、それでいてとても心地良い物語でした。

[投稿日]2015年03月26日  [最終更新日]2020年8月25日
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