検事の死命   ( 柚月 裕子   2017年6月9日

『検事の死命』の簡単なあらすじ   電車内で女子高生に痴漢を働いたとして会社員の武本が現行犯逮捕された。武本は容疑を否認し、金を払えば示談にすると少女から脅されたと主張。さらに武本は県内有数の資産家一族の婿だっ … “検事の死命” の続きを読む

黒警   ( 月村 了衛   2017年6月6日

本書『黒警』は、ヤクザとそのヤクザと義兄弟の契りを結んだ事なかれ主義の警察官との姿を描く長編の警察小説です。 ただ、この作者の『機龍警察』ほどの濃密感はなく、軽い仕上がりになっている、気楽に読むエンターテイメント小説です … “黒警” の続きを読む

分水嶺   ( 笹本 稜平   2017年6月5日

風間健介は急逝した父の遺志を継ぎ、広告カメラマンから山岳写真家へと転身した。父の愛した厳冬の大雪山で撮影中、風間は絶滅したはずのオオカミを探す田沢保と出会う。十数年前、遭難の危機をオオカミに救われたという。さらに、彼が亡 … “分水嶺” の続きを読む

イン・ザ・プール   ( 奥田 英朗   2017年6月3日

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変 … “イン・ザ・プール” の続きを読む

藪医 ふらここ堂   ( 朝井 まかて   2017年5月29日

家族、夫婦、子育て、はては「恋」まで診立てます。天野三哲は江戸・神田三河町で開業している小児医。「面倒臭ぇ」が口癖で、朝寝坊する、患者を選り好みする、面倒になると患者を置いて逃げ出しちまう、近所でも有名な藪医者だ。ところ … “藪医 ふらここ堂” の続きを読む

半席   ( 青山 文平   2017年5月28日

本書『半席』は、徒目付の片岡直人が上司から命じられた腑に落ちない事件の「真の動機」を解明していく短編の時代小説集です。 隠された人間の真実を明らかにするとき、そこにはそれまでは見えていなかったある生き方が見えてきます。青 … “半席” の続きを読む

天下人の茶   ( 伊東 潤   2017年5月27日

絢爛豪華たる安土桃山文化の主座を占める茶の湯。それは、死と隣り合わせに生きる武士たちの一時のやすらぎだった。茶の湯文化を創出した男とその弟子たちの生き様もまた、武士たちに劣らぬ凄まじさをみせる。戦国時代を舞台に繰り広げら … “天下人の茶” の続きを読む