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上橋 菜穂子 雑感

著者は立教大学で文化人類学を学び博士号を取得している学者さんで、その代表作である「守り人シリーズ」は中央アジアの民俗の見聞の影響が大きいと述べているそうです。

幼い頃から膨大な量の本を読んでおられ、そのジャンルもSF、ファンタジー、時代小説から学術書まで実に多岐に及んでいます。だからと言ってインドア派かと思えばそうでもなく、小学生の時は相撲が好きだったとか、高校生の時はパワーリストを着けて学校に行っていたとか、同じく高校生の頃には英国研修旅行21日間という企画で英国に行き、私はその名前も知らないのですが、実際に「グリーン・ノウの子どもたち」を著したL・M・ボストン夫人という人に会いに行ったりもしておられるなどと実に意外なエピソードも語っておられます。

その作品は二つのシリーズしか知りませんが、共に異世界ファンタジーで、構成がしっかりとした作品で、大人にとっても面白さは勿論、読みごたえも十分にある作品です。両作品ともにアニメ化されています。

「月の森に、カミよ眠れ」で 日本児童文学者協会新人賞、「精霊の守り人」で第34回野間児童文芸新人賞と第44回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、「闇の守り人」で第40回日本児童文学者協会賞、「守り人シリーズ」で第25回巌谷小波文芸賞、神の守人 来訪編、帰還編」で第52回小学館児童出版文化賞、「狐笛のかなた」で第42回野間児童文芸賞を受賞し、第51回産経児童出版文化賞の推薦作品となっています。

[投稿日] 2015年04月07日  [最終更新日] 2015年7月6日

おすすめの小説

ファンタジー小説作家(日本)

日本のファンタジー小説はあまり読んでいません。ですので、殆どの作品は未読です。
宮部 みゆき
ブレイブ・ストーリー」は、家族を取り戻す為、母と自分の運命を変える為に小学5年生の三谷亘が異世界へと旅立つお話。異世界ファンタジーと言われる作品です。アニメ映画化、漫画化、ゲーム化もされています。
英雄の書」は、小学五年生の森崎友理子の兄が同級生を殺傷し、行方不明になった。友理子は本の助けを借りて、消えた兄を探すために“無名の地”へと旅立つ物語。この作品も異世界が舞台です。
富野 由悠季
大人のファンタジーとして「リーンの翼」があります。異世界「バイストン・ウェル」を舞台に繰り広げられる、ヒロイックファンタジーです。終盤になって少々間延びしますが、それなりの面白さを持っています。
荻原 規子
勾玉シリーズ」は、「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」の勾玉三部作と呼ばれる作品。私は未読なので大きなことは言えないのですが、調べてみた限りではかなり評判が良いようです。日本神話をモチーフにした和風ファンタジーと言っても良いのではないでしょうか。
小野 不由美
十二国記シリーズ」は、古代中国思想を基盤にした異世界ファンタジー。シリーズを通しての主人公は存在しないのですが、各作品の登場人物は時代を超えてリンクし合っています。
田中 芳樹
  19世紀イランの「アミール・アルサラーネ・ナームダール」という叙事詩をモチーフに書かれたファンタジーとして「アルスラーン戦記」があります。王太子アルスラーンのパルス国奪回するまでの第一部(全七巻)、その後第十三巻で刊行が止まっているそうです。未読です。
畠中 恵
体の弱い若だんなと、若だんなに仕える佐助と仁吉を始めとする妖(あやかし)たちが協力して事件を解決する時代物ファンタジーである「しゃばけシリーズ」があります。私が読んだのはは第一巻目の「しゃばけ」だけです。しかし、一般の評判はかなり良いようです。2014年01月現在で長編短編合わせて12冊が出版されています。

ファンタジー小説作家(海外)

途中まで読了という作品がいくつかあります。面白くないのではなく、次の巻が出るまでに他の本を読んでいるとなかなかに元のシリーズに戻れないでいるのです。
J・R・R・トールキン
ファンタジー作品を語る以上この人の「指輪物語」が最高の作品です。ホビットを中心にエルフ、ドワーフ、人間達が冥王サウロンの作った指輪を滅ぼすための旅に出る物語です。その世界観といい、後世のファンタジーに多大な影響を与えた作品です。映画化もされアカデミー賞を受賞しました。どちらかというと大人向けの物語でしょう。
J・K・ローリング
言わずと知れた世界的な大ベストセラーの「ハリー・ポッターシリーズ」があります。十分に大人の鑑賞にも耐えうるファンタジーに仕上がっていることは改めて言うまでも無い大作です。
C・S・ルイス
ナルニア国ものがたり」があります。空襲を避けるため田舎のとある屋敷に避難してきた四人兄弟は、屋敷の中で衣装箪笥を見つける。その衣装箪笥の中に入っていくと、そこはライオンの「アスラン」のいるナルニアという国で、四人はこの国で与えられた使命を果たすために冒険に出るのだった。この作品は子供向きだと思いました。
アーシュラ・K・ル=グウィン
ゲド戦記」は、太古の言葉が魔力を発揮する多島世界アースシーを舞台とした魔法使いゲドの物語。外伝を含み全六巻ですが、各巻の主人公は異なり、ゲドはポイントで登場します。スタジオジブリにより映画化されましたので少しは世間の認知度も上がったと思います。でも、あの映画は別物と思った方が良いです。
フィリップ・プルマン
ライラの冒険」は、人は皆ダイモンと呼ばれる分身を持ち、魔女やよろいグマなどが住む世界で、主人公のライラは叔父を探しに旅立つ。冒険ファンタジー。映画化もされました。全三巻。
、ロバート・ジョーダン
時の車輪」  文庫本で60冊を超える超大作です。ある神話体系のもとでの魔法世界で、多くの登場人物が〈闇王〉の復活を阻止するために冒険物語を繰り広げます。

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