『マスカレードシリーズ』とは
『マスカレードシリーズ』は、高級ホテルの「ホテル・コルテシア東京」で起きる事件の捜査のためにホテルマンとして潜入した刑事が、教育掛である優秀なホテルマンの女性と共に事件を解決していく推理小説です。
推理小説としての面白さに加え、ホテルという特殊な状況に放り込まれた刑事の振る舞いや、その教育掛である女性との掛け合いなどの面白さをも持った物語でした。
『マスカレードシリーズ』の作品
『マスカレードシリーズ』について
本シリーズの主人公は、警視庁捜査一課の刑事の新田浩介です。その新田は帰国子女であって英語を自在に話せるところから、管轄内で起きた殺人事件の捜査のためにホテル・コルテシア東京に潜入捜査することになります。
そのホテル・コルテシア東京にいたのが本シリーズのもう一人の主人公である山岸尚美です。彼女はホテル・コルテシア東京のフロントクラークであり、ホテルマンとした高い能力を有していました。
そこに新田が潜入捜査官としてホテル・コルテシア東京のフロントクラークとしてやってきたときに、山岸が新田の教育係を務めることになります。
本『マスカレードシリーズ』は、この二人を中心として、ホテル・コルテシア東京を舞台に繰り広げられる数々の事件を解決する姿を描き出すシリーズです。
『マスカレードシリーズ』第一巻の『マスカレード・ホテル』は、「ホテル・コルテシア東京」を舞台に展開される長編のミステリー小説です。
都内で起きた三件の連続殺人事件の現場に残された暗号を解くと次の事件は「ホテル・コルテシア東京」で起きることが予測され、英語が堪能な新田がホテルのフロントクラークとして送り込まれたのです。
シリーズ第二巻の『マスカレード・イブ』は、四つの短編から構成される、前作『マスカレード・ホテル』の前日憚となる連作短編集です。
まだ新米フロントクラーク時代の山岸尚美が、知人から受けた相談事を解決する「それぞれの仮面」他の三篇が収納されています。
シリーズ第三巻の『マスカレード・ナイト』は、再び「ホテル・コルテシア東京」を舞台に展開される長編のミステリー小説です。
警視庁に、都内で起きた若い女性が殺された事件の犯人が「ホテル・コルテシア東京」のカウントダウン・パーティに現れるという密告状が届き、再び潜入することとなった新田が、今ではコンシェルジュとなっている山岸尚美と共に解決します。
シリーズ第四巻の『マスカレード・ゲーム』は、三たび「ホテル・コルテシア東京」を舞台に展開される長編のミステリー小説です。
過去に被害者が理不尽な殺され方をした三件の事件の加害者が立て続けに殺されます。過去の三件の事件の関係者が「ホテル・コルテシア東京」に同じ日に宿泊するという事実が判明します。
新田らは更なる事件の発生を防ぐために「ホテル・コルテシア東京」へと潜入することになります。
この第四巻の『マスカレード・ゲーム』では、新田は警部補から警部になり、山岸もコンシェルジェになっていて、転任先だったロスアンゼルスから急遽帰国して捜査の手助けをします。
このように本『マスカレードシリーズ』は、新田と山岸というコンビの、ホテルという特殊な環境での捜査の模様を描き出してあるシリーズです。
それは、お客様のプライバシーを最大限尊重しようとするホテル側すなわち山岸と、事件の解決を第一義に考える警察側すなわち新田との衝突の場面を一つの目玉としながらのミステリーです。
その関係も、第四弾になるとホテル側の立場も理解している新田と警察側の新しい登場人物の梓警部という新しい登場人物とのやり取り、へと変化するなど、ときの経過も反映しながらのシリーズとなっています。
第四弾の最後の場面での驚きの展開を見ると、今後さらに第五弾へと続くものかはわかりませんが、できれば続いてほしいものです。
ちなみに、『マスカレードホテル』と『マスカレードナイト』とそれぞれ原作として、木村拓哉、長澤まさみを主役に据えて映画化されています。
『マスカレードホテル』
『マスカレードナイト』