このシリーズは警察小説ではあるのですが、SFの雰囲気を漂わせています。まあ、SF好きしか分からないかもしれませんが「サイバーパンク」のイメージ、つまり簡単に言えば、電脳空間との融合を大切な要素とする小説手法を取り入れている、と言えると思います。言い過ぎとは思いますが、名作映画「ブレードランナー」の雰囲気を持った作品を言えば分かりやすいでしょうか。
ただ、この作品はその上に少々グロさが付け加わります。殺人現場の描写など手足が散らばっていることは当たり前で、それ以上の描写が加わっているので、そのような描写が苦手な人はやめた方が良いでしょう。
でもその点を除けば、主人公の成長の描写もなかなかに引き込まれ、他の登場人物との絡みも私は面白くというか、興味を持って読み進めることができました。名前がカタカナで展開する独特の手法など、これまでの警察ものとは一線を画しています。
上記は出版年順ですが、内容を時系列でみると連作短編集である「衛星を使い、私に」が一番最初に来ます。