森村 誠一

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「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。被害者は「日本のキスミーに行く」と言い残して数日前に来日したという。日米合同捜査が展開され、棟居刑事は奥深い事件の謎を追って被害者の過去を遡るが、やがて事件は自らの過去の因縁をも手繰り寄せてくる―。人間の“業”を圧倒的なスケールで描ききった、巨匠の代表作にして不朽の名作。(「BOOK」データベースより)

 

角川映画で映画化され一大ブームとなった、長編の推理小説です。

 

森村誠一といえばこの作品は外せないと思うのですが、正直、この作品も映画の印象が強すぎて小説の印象があまり残っていません。

映画では松田優作という私が好きな役者さんが主演をしていたことと、ジョー山中の主題歌がとてもよくて印象が強かったのです。

 

 

その少ない記憶の話で申し訳ないのですが、個人的には大御所の松本清張の『砂の器』と比較してしまいます。

そして推理小説としては、『砂の器』に軍配を上げてしまい、本書の推理小説としての面白さの印象がないのです。

 

 

森村誠一の推理小説作品としては『密閉山脈』や『高層の死角』の方が面白いのではないでしょうか。

 

 

ただ、推理小説を離れた物語としてみると、この作品もかなりの評価があると思います。

勿論これは私個人の印象です。大方の人は推理小説としても面白いと言われるのであれほどのベストセラーになったのではないでしょうか。

この『人間の証明』は他の『野性の証明』『青春の証明』とあわせて証明3部作と称されています。

 

[投稿日]2015年04月20日  [最終更新日]2020年3月8日
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