イラスト1
Pocket

高嶋 哲夫 雑感

1949年7月7日、岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒業、大学院修士課程修了。
リンク:塾員往来第27回
日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。
(1979年 日本原子力学会技術賞受賞)
日本推理作家協会、日本文芸家協会、日本文芸家クラブ会員。

1990年 『帰国』 第24回北日本文学賞受賞
1994年 『メルトダウン』 第1回小説現代推理新人賞受賞
1999年 『イントゥルーダー』 第16回サントリーミステリー大賞受賞(大賞・読者賞をダブル受賞)
2006年 井植文化賞受賞
2007年 『ミッドナイトイーグル』 映画化(松竹映画、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンによる共同製作)
2010年 『風をつかまえて』 第56回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)に選定
2011年 神戸市文化賞(芸術・文学)受賞

2017年 『福島第二原発の奇跡』でエネルギーフォーラム賞優秀賞を受賞。

2018年 『都庁爆破!』テレビドラマ化(全国TBS系列)

以上、「高嶋哲夫オフィシャルブログ」の「プロフィール」より引用です。

高嶋哲夫の初期の作品は、『メルトダウン』にしても『イントゥルーダー』にしても、科学的知識をベースにしたミステリーであったようです。その後の『ミッドナイトイーグル』は映画化作品を見ただけですが、冒険小説的な色合いが濃い作品でした。

パニックものを手がけられるようになったのは、『M8』『TSUNAMI』『東京大洪水』のパニック小説三部作あたりからでしょうか。

その後に書かれた『首都感染』『首都崩壊』なども含め、作者の技術者経歴を十全に生かした作品が多いようです。

2015年に書かれた『世界に嗤われる日本の原発戦略 (PHP新書)』 (Kindle版)などは、作家としてではなく、技術者高嶋哲夫の世界に対する警鐘を鳴らす作品であるようです。

 

 

一方、エンターテインメント作品として見た場合、どの作品もかなりの面白さをもって読者に迫ってきます。背景に作者の経歴があるかであることは勿論のこと、その知識を物語として構成し、練り上げるその力量は相当なものだと思われます。

[投稿日] 2015年08月09日  [最終更新日] 2019年1月24日
Pocket

おすすめの小説

おすすめのパニック・シミュレーション小説作家

パニック小説とシミュレーション小説、その区別はあいまいなところがあるようですが、以下では、その区別はあまりせずに挙げています。
西村 寿行
ハードロマンと呼ばれたその作風は、強烈なバイオレンスが取り上げられますが、「滅びの笛」や「蒼茫の大地、滅ぶ」など、パニック小説(というよりもシミュレーション小説というべきでしょうか)でも異彩を放っています。エンタメ性抜群の面白さです。
篠田 節子
東京近郊で致死率の非常に高い日本脳炎が発生する。特定のヒーローではなく、普通の人々の行いを描く「夏の災厄」は、上質のシミュレーション小説だと思います。
安生 正
2013年第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した「生存者ゼロ」は、北海道で発生した原因不明の大量死事件に、自衛隊などが活躍するパニックスリラー大作です。
アーサー・ヘイリー
パニック小説と言えば、まずは「大空港」を挙げるべきでしょう。少々古い作品ですが、グランドホテル方式によるパニックドラマです。
リチャード・モラン
スペインの国土ほどあろうかというロス棚氷が南極大陸から切り離され、時速13キロで太平洋を北上しはじめるという「南極大氷原北上す」は、全編緊迫感に満ちた小説です。

関連リンク