西村 寿行

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突如、日本を襲ったバッタの巨大な群れは、東北地方で米、野菜を喰いあらし、人々をパニックに陥れた。不信、暴動、輪姦……最悪な事態をむかえ、対策は急を要した。しかし、政権を維持しようとする中央政府の出した結論は、東北六県を切り捨てる冷酷・非情なものであった。やむをえず、東北地方の県民による「東北地方守備隊」が組織され、中央との対立はついに限界に達する……! 空前絶後の想像力で描く、感動のスーパー・パニック・ロマンの傑作!( Kindle版 上巻 : 内容紹介より)

幅10キロ、長さ20キロにも及ぶ飛蝗の群団に襲われ、中央政府との対立を余儀なくされた東北六県は、ついに独立を宣言した。しかし、中央政府は武力鎮圧を重ね、悲劇は悲劇を呼ぶことになる。人は飢え、人心はついに野獣と化し、全てが滅びへと向かってひた走っていった。自然の凄絶さ、人間の生地獄……空前絶後の想像力で描き上げた、感動のスーパー・パニック・ロマン巨編。( Kindle版 下巻 : 内容紹介より)

 

文庫本で上下二巻の、西村寿行のパニックロマン長編小説です。

 

中国で大量発生し海を渡ってきた飛蝗(トノサマバッタ)のため東北地方は莫大な損害を受ける。しかし、日本政府は東北地方を救済するどころか大都市のために食料等の供出を命じる。

そこで、東北六県は自らの存続をかけ日本国に見切りをつけ独立を宣言し、日本国との軍事的対立をも辞さない構えをとることとなるのだった。

 

国と地方自治体との対立から個人レベルでの争いまで、危機的状況下での描写が迫力あるタッチで描かれます。

パニック小説と聞いて今でも一番に思い浮かぶのは小松左京の『日本沈没』とこの作品です。この作者が一番脂がのっている時期の作品ではないでしょうか。

 

 

 

日本沈没』は国土を失った民族の行く末が書きたかった、と著者の小松左京氏が語っていましたが、本作品はエンターテインメント性の高い、地方の独立、国土の分割に際してのシミュレーション小説としての面白さと言えるでしょう。

フィクション故の面白さに満ちた作品だと思います。

本作品も古本しか見当たりません。若しくは、Kindle版なら出版されています。

[投稿日]2015年04月15日  [最終更新日]2018年11月4日
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