殺戮の戦国から太平の江戸へ。この大転換期を生きた二人の剣聖―宮本武蔵と柳生兵庫助。あくまで人を斬り、斃すための“殺人剣”を追求する武蔵に対し、兵庫助の新陰流の神髄は、人を活かす“活人剣”にあった。それはまさしく武芸の時代から政治の時代への変革であった。すでに斬るべき相手のいない江戸の世で、なおも兵法者の道を貫く武蔵。一方、組織に生き政治を執る武士として心を練り、身を修めてきた兵庫助。ともに不敗の剣の遣い手とあがめられ、互いを意識しつつ歩んできた二人が相まみえた時…。果たして己れの生き様を賭けた世紀の対決の行方は?“殺人剣”対“活人剣”の決着は?希代の剣客の激闘をかつてない視点から描き切った新・剣豪小説。( Kindle版 : 「BOOK」データベースより)
宮本武蔵と柳生兵庫助という日本史上に残る二人の剣豪の姿を描く長編の時代小説です。
まず、テーマが武蔵と兵庫助ですから興味深い主題であることは間違いありません。その二人を剣を描くことでは定評のある鳥羽亮が描くのですから期待は膨らみます。
そして、ハードルの上がったその期待は十分に満たされました。
間違いなく面白いです。
付け加えれば、柳生兵庫助といえば津本陽の作品にタイトルがそのまま「柳生兵庫助」という大作があります。こちらも面白いです。
下掲のイメージは、双葉社の双葉文庫から出ている全十巻の第一巻と、文春文庫(全八巻)の第一巻です。
さらに、リイド社のSPコミックスから、とみ新蔵の画で全五巻のコミック版も出ています。