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福田 和代 雑感

兵庫県神戸市出身。
神戸大学工学部卒業。

2007年 航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』で小説家デビュー。

福田和代という作家の作品で読んだのは三冊だけです。残念ながら、決して私の好みにピタリと合致する作品というわけにはいきませんでした。

福田和代氏の作品は、スケールの大きなアクション性の高い謀略小説が多いように感じます。つまりはエンターテインメント性の高い、読者の好みに合いさえすれば虜になりやすい作品ではないでしょうか。

ただ私にとっては、既読のどの作品も、作品の構成が大仕掛けな割には、というか構成が大きいからこそ、その筋立ての粗さを感じてしまい、感情移入できないのです。物語にリアリティーを感じることができなくなり、どしても違和感をぬぐい去ることができません。

とはいえ、福田和代氏の作品の一冊目を読んだときにはそう感じたにもかかわらず、三冊までも読んでみたのですから、決して嫌いな作家さんではなく、逆に好みの分野ではあるのです。ただ、微妙に私の好みとずれがあるのだと思います。

近年の福田和代氏の作品は、警察ものも手掛けておられたり、と、少し作風も変わっておられるようです。近いうちにまた読むことになるのでしょう。

[投稿日] 2015年11月16日  [最終更新日] 2015年11月16日
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おすすめの小説

おすすめの謀略小説作家

スケールの大きなおすすめの謀略小説を、日本国内外を問わず、おもなものだけを集めてみました。
船戸 与一
日本の冒険小説の第一人者です。その骨太の小説は綿密な取材の結果であり、濃厚な時間を楽しめます。「山猫の夏」は、ブラジルの片田舎を舞台にした「用心棒」のような設定のアクション小説。
福井 晴敏
スケール感の大きな作品を書かれる作家さんです。それでいて、ディテールまでこだわり、実に細かなところまで書き込まれた作品を多数著しておられます。「亡国のイージス」などの作品は映画化もされています。
麻生 幾
スケールの大きな謀略小説を多く書かれている作家さんです。抱えている作品の内容が内容だからでしょうか、メディアへの露出がほとんどない作家さんでもあります。「宣戦布告」は、古谷一行らの出演で映画化もされています。
楡 周平
Cの福音」から始まる朝倉恭介、川瀬雅彦を主人公とするシリーズは、どこか大藪春彦の伊達邦彦らを思わせます。ちょっと癖があり、読者を選ぶかもしれません。
真保 裕一
織田裕二主演の映画『アマルフィ 女神の報酬』のプロットをもとに書かれた「アマルフィ 」は、日本の外交官の黒田康作が活躍するスケールの大きな小説です。他に、とあるダムをテロリストの手から開放すべく活躍する一人の男を描いた「ホワイトアウト 」は一級の冒険小説です。
ロバート・ラドラム
ジェイソン・ボーンシリーズ」が映画化もされ、一番有名な作品でしょうか。どの作品もエスピオナージュの一級品です。緻密な構成は他の追随を許さないものがあります。
A・J・クィネル
この人の作品は、綿密な取材に基づいた作品が多く、身分を明かすと取材に差し支えるということで覆面作家として知られていました。エンターテインメント小説としての面白さは定評があり、とくに「燃える男」から始まる「クリーシィシリーズ」は、その“情”の側面において、日本人の感覚にも合った小説だと思いました。本作品はデンゼル・ワシントン主演でも映画化されましたが、やはりと言っていいのか、別作品になっていました。

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