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スペンサー シリーズ』とは

 

本『スペンサー シリーズ』とは、私立探偵のスペンサーを主人公とする、ハードボイルドミステリーシリーズです。

私の中では、ハードボイルド作品の代名詞ともいえるシリーズであって、ハードボールドの入門書としてもおすすめのシリーズです。

 

スペンサー シリーズ』の作品

 

スペンサー シリーズ(完結)

  1. ゴッドウルフの行方
  2. 誘拐
  3. 失投
  4. 約束の地
  5. ユダの山羊
  6. レイチェル・ウォレスを捜せ
  7. 初秋
  8. 残酷な土地
  9. 儀式
  10. 拡がる環
  11. 告別
  12. キャッツキルの鷲
  13. 海馬を馴らす
  1. 蒼ざめた王たち
  2. 真紅の歓び
  3. プレイメイツ
  4. スターダスト
  5. 晩秋
  6. ダブル・デュースの対決
  7. ペイパー・ドール
  8. 歩く影
  9. 虚空
  10. チャンス
  11. 悪党
  12. 突然の災禍
  13. 沈黙
  1. ハガーマガーを守れ
  2. ポットショットの銃弾
  3. 笑う未亡人
  4. 真相
  5. 背信
  6. 冷たい銃声
  7. スクール・デイズ
  8. ドリームガール
  9. 昔日
  10. 灰色の嵐
  11. プロフェッショナル
  12. 盗まれた貴婦人
  13. 春嵐

 

スペンサー シリーズ』について

 

個人的にはこの『スペンサー シリーズ』こそがハードボイルド作品の代名詞であり、ハードボイルドの入門書としても最適だと思っています。

そうではなく、ハードボールドと言えば『マルタの鷹』のダシール・ハメットや、『ロング・グッドバイ』のレイモンド・チャンドラーがまず取り上げられるべき、という人も多いとは思いますが、私としてはこの『スペンサー シリーズ』なのです。

全作品を読み終えたシリーズでもあります。


元警察官の私立探偵のスペンサーは大男で、常に体を鍛え、そのタフネスぶりを誇っています。

何よりの特徴は彼の饒舌さにあります。単なるおしゃべりではなく、皮肉屋でもあり、彼なりの哲学に裏打ちされた饒舌さです。

最初はこのおしゃべりに拒否感を覚える人も少なからずいるかもしれません。しかし、ちょっとその点を無視していれば、彼の饒舌さもそれなりに面白く思えてくると思います。

 

彼を取り巻く登場人物がまた魅力的です。

頭脳明晰で独立心が強く、スペンサーと距離を置いたこともある恋人のスーザン・シルヴァマンやスペンサーの危機に際しては常にそばに居る黒人の大男ホーク

他にも何冊かではありますが、警察官で事件の度に顔を出すサミュエルスン警部や、ギャングのヴィニー・モリスなど、どれもひと癖ある人間達で、スペンサーとの会話が光ります。

 

本コーナー上掲のリンク写真は『初秋』という作品で、本シリーズの中での一番人気であり、私も最も好きな作品です。

スペンサーが両親の離婚騒動の間を一人でいる少年の再生を手伝う物語です。「男」としての生き方を、共に生活し、体を鍛え、家を基礎から建てる、その行為の中で教えていきます。勿論ホークも加わります。

アクション重視のハードボイルド小説ではなく、主人公の生き方を主張している作品です。

でも、できればシリーズ作品第一作目から順に読んだ方がスーザンとの出会い、別れなどのシリーズ全体を通した流れが分かり面白いでしょう。

 

本シリーズは装丁がまた魅力的でした。

辰巳四郎氏によるカバーデザインは、拳銃や口紅などの小物と、人の顔若しくは眼や口などの顔の部分のリアルなイラストの組み合わせがインパクトが強く、強烈な個性を持っていました。

ちなみに、菊池光と辰巳四郎というコンビはフランシスの競馬シリーズでも同様でした。

 

上記の本シリーズリストは翻訳済みの作品リストです。

未訳の作品として『Chasing the Bear』が、通し番号で言うと37の位置にあります。ですから、シリーズ全体とすれば、正確には全40巻と書くべきでしょうか。

[投稿日]2015年04月28日  [最終更新日]2025年1月21日

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